ジャニス・イアン/Between The Lines(愛の回想録)
(1975)




Amazon.co.jp : Between the Lines

Amazon.co.jp : 愛の回想録(紙ジャケット仕様)

Tower@jp : Janis Ian/Between the Lines

HMV : Between The Lines


ゆうべリビングのソファに静かに身体を横たえていると(←酔っ払って寝ていたとも言う)、
つけっぱなしになっていたTVから、ジャニス・イアン「17歳の頃」が流れてきました。

反射的に起き上がって画面を見ると、ソフトバンクのCMで、吉永小百合がニコニコしならスマホを操作していました
「はじめて」という設定なのに、ずいぶんスマホの操作がスムーズな気が!
実は私、スマホを使い始めて3ヶ月、まだ慣れません。
老眼にはちと厳しいのであります。
「負けた・・・負けたのか俺!?」

 ・・・いやまあそんなことはどうでもよろしいので。
 久しぶりに聴いた「17歳の頃」の懐かしさに心が飛びました。

「17歳の頃」が収録されたジャニス・イアン "Between The Lines"(1975)は、彼女にとってメジャーレーベルからのセカンド・アルバム。
1970年代の彼女は、傑作アルバムを次から次へとリリースしていました。
私も大昔に、こんな記事を書いたことがあります。

懐かしさのあまり、CDのほこりを払ってほぼ十年ぶりに聴きました。

 やっぱり素晴らしいアルバムですっ!

「17歳の頃」は、洒落たボサノヴァ・サウンド&甘いメロディに、イジけて屈折した暗〜い歌詞を乗せた名曲。
 

  17歳の頃、私は真実を知った
  「愛」とは美人コンテストの女王とか、さっさと結婚して家庭に収まる可愛い女の子のためにある言葉だと

  ヴァレンタインなんて縁がなかった
  金曜の夜の若者の遊びは、もっと美しい人のために費やされた
  17歳の頃、私は真実を知った

  容貌に恵まれず、社交性にも欠ける私みたいな者は 悲しく家にこもり
  彼氏から「ダンスに行こう」と電話がかかってくる自分を妄想し
  愛のやりとりをひとりでつぶやいていた
  17歳の頃

  お下がりの服を着ていた茶色の目の女の子(名前がどうしても発音できなかった)が言っていた
  「耐えてきたものは救われる 人は自分が与えただけのものを得るのよ」

  人脈豊かな地元の女王様は求めるもののために結婚する
  それは社会的な保証と年をとってからの安定

  でも勝利を得た人達も いつしか愛を失うでしょう
  家柄にこだわっていると 誠実さを見失うでしょう
  田舎町の人たちは いつか驚いて見るでしょう
  17歳の頃に得た以上のものを支払わされるあなたを

  やってこないヴァレンタインの痛みを知っている私たち
  バスケットボールのチーム選びで名前を呼ばれなかった私たち
  それは遠い昔、遥か彼方の思い出
  世界は今よりもずっと若く
  みにくいアヒルの子に自由になるものは夢だけだった

  私たちはひとりぼっちでゲームをして自分を欺いていた
  架空の恋人と電話でおしゃべりし 知りようのない別の人生を悔やみながら
  「ダンスに行こう」と電話で誘われる自分を妄想し
  愛のやりとりをひとりでつぶやいていた
  みにくいアヒルの子のような17歳の頃


・・・く、暗い、やっぱり暗いよ。
しかしいい曲なので聴き入ってしまいます。

このアルバムは、どの曲も一編の短編小説のような内容をたたえています。

 In The Winter
 

  昼間は大丈夫 午後はテレビを見るし
  寂しくなっても ほかの部屋の声が聞こえてくるから
  怖くはないの

  オペレーターが ずっと時刻を告げているの 笑えるわね
  10セント払うと 神様と話ができるラジオがあるのよ
  祈りのダイアル そこにいるのですか? 聞こえますか? いらっしゃるのですか?

  冬には 毛布を増やして寒さをしのぐの 古くなったヒータの修理もできる
  私は前より賢くなった でもあなたに関しては ずっと愚かなまま

  あなたの友達に逢った 彼女は素敵ね 私に何が言えるの?
  偶然だったのよ こんな風に再会するなんて夢にも思わなかった
  あなたは元気そうね
  私は怖くない

  絵に描いたような素敵な家庭を持ったのね
  いいえ、わたしはひとりよ そのほうが気楽なの
  わたしが徹夜のパーティー・ライフを嫌ったことは覚えてるでしょ
  それにしても素敵な奥様ね

  冬には 毛布を増やして寒さをしのぐの 古くなったヒータの修理もできる
  あなたは彼女と一緒
  わたしはひとりで生きてゆく 永遠に


・・・名曲ですが暗い、というかちょっと怖い。


 Light a Light
 

  廊下を歩くたびにあなたの声が聞こえる
  写真フレームの中にあなたの顔が見える
  星空のなかにあなたの瞳を感じる
  Lover, 私は故郷に向かっているの?

  高慢だった私は謙虚になり  
  騒がしかった私は物静かになり
  あなたの言葉を待っている
  Lover, 私は故郷に向かっているの?

  あなたがいなくなってから 太陽は輝かない
  光を 光をください
  私をあなたのもとに戻してください

  何年もの間 あんなに愛し合ったのに
  涙なんて知らないほど あんなに笑い合ったのに
  あの年月が色あせてゆく
  Lover, 私は故郷に向かっているの?

  かつて口ずさんだ歌に教えられた
  おかした過ちに何度も傷ついて 人は学んでゆくと
  私はもう十分に傷ついたわ
  Lover, 私は故郷に向かっているの?




ジャニス・イアン、久しぶりに聴き直してみよう。

(2013.9.8.)



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