レーラ・アウエルバッハ/
ヴァイオリンとピアノのための24の前奏曲 他
(グルツマン・vn ヨッフェ・pf)(BIS CD−1242)
Amazon.co.jp : 24 Preludes Violin & Piano
Tower@jp : Auerbach/Preludes for Violin & Piano
HMV : アウエルバッハ/24の前奏曲
レーラ・アウエルバッハは、1973年ロシア生まれ、現在ニューヨーク在住の詩人・作家・作曲家・ピアニストです。
この若さで2004年のノーベル文学賞にノミネートされ(!)、有名になりました。
彼女の初めての作品集のCDが発売されたので聴いてみました。
「ヴァイオリンとピアノのための24の前奏曲」は、25歳当時の作品。
作風は、シュニトケやペルトの多様式音楽を思わせ、不協和音の後に、突然ロマンティックなメロディやバロック風のフレーズが挿入されたりします。
ショスタコーヴィチを思わせる箇所も多く、やっぱりロシアの人ですね。
ピアノの重い打鍵は、ウストヴォルスカヤに通じるものがあるような気がしますが、それら先輩達に比べれば、より描写的で聴きやすいです。
前奏曲第3番 ト長調 (このCDの演奏ではありません)
(素朴な歌がだんだん不穏な雰囲気に・・・)
前奏曲第4番 ホ短調
(悲しみの奔流!)
表現の幅が多彩で、とくにアップテンポの曲はどれも圧倒的迫力。
静かな祈りの曲も魅力的ですが、全体に、イサギヨク決然とした強靭な音が印象に残ります。
いじいじしたところが無くて、「黙って私の言いたいことをお聴き!!」と言わんばかりの「強さ」。
現代音楽ではしばしば、何が言いたいのかさっぱりわからない作品とか(自分の理解力不足は棚の上〜)、
ひとりぶつぶつ繰言を言ってるみたいな作品に出会いますが、
これは最近聴いた現代音楽の中ではダントツにきっぱりした、聴き応えのある曲でした。
アウエルバッハならではの個性的な表現はいずこに?、という気もしないでもないですが、
それはこれからの楽しみか。 とにかく凄い才能ですこれは。
前奏曲第9番 ホ長調
(調子外れの民族舞踊のような・・・)
今年、アウエルバッハは、諏訪内晶子のためにヴァイオリン協奏曲を書いたそうです。
(最近日本で初演されたとのこと)
前奏曲第11番 ロ長調
(ショスタコーヴィチ風の軽快な曲)
前奏曲第24番 ニ短調
(5分を超える終曲。シュニトケを連想します)
(04.12.4.記)
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