Amazon.co.jp : Lera Auerbach Plays Her Preludes for Piano
HMV : Auerbach Preludes for Piano
4日間ほど、東京に出張しておりまして、今日帰ってきました。
おもに有楽町方面で暗躍・跳梁跋扈しておりました(どんな仕事やねん)。
昼間は本務に邁進しましたが、夜は時間が空いたので、ふっふっふっ、コンサートを聴きに行ったりなどしました。
東京文化会館で典雅なバッハやヘンデルやヴィヴァルディを堪能しました。
先々週は岡山でリリング指揮の「ロ短調ミサ」を聴いたし、このところちょっとバッハづいてるかも。
・・・というわけで、本日のエントリー、バッハにちなんでみました。
ただし、バッハはバッハでも、ロシアが生んだ若き天才、レーラ・アウエルバッハ(1973〜)です。
彼女のピアノのための24の前奏曲 作品41(1999)。
いびつな万華鏡をのぞきこんでいるみたいな、美しく歪んだ響きの連続。
きらめきと緊張感に満ちた、呪術的な音世界。
女魔法使いの館に招かれて、不思議な魔法を次々に見せられている気分です。
すべてが終わったときにはすっかり魂を奪い取られているという寸法か。
前奏曲集より(レーラ・アウエルバッハ自身の演奏)
前奏曲第4番(トレモロで奏でられる呪文のようなメロディと嵐のような激しさの交錯)
前奏曲第12番
個人的に一番好きなのが「第16番」。きらめくアルペジオの連続が夢幻の境地に誘います。
前奏曲第16番
1〜2分の曲がずらりと並ぶなか、最後の第24番だけが5分を超える演奏時間。
これは第24番が、それまでの曲をコラージュ風に回想する、いわば総集編になっているため。
なるほど、これは面白い! まさにアイデア賞。
前奏曲第24番
(このCDの演奏ではありません)
アウエルバッハは、以前「ヴァイオリンとピアノのための24の前奏曲」(1998)をご紹介しました。
あれも素晴らしい作品でしたが、この「ピアノのための24の前奏曲」も勝るとも劣りません。
前衛性とロマンティシズムの絶妙なバランスが、じつに素敵。
あえて言うならば、ショパンの同名作に比べると曲による変化の幅が小さいですが(つまりちょっぴり単調?)、
まあ聴くだけの人間が勝手なこと言うておるわいと思ってください。
(それにしてもあれだけ多彩な曲を無理やりまとめて、不思議な統一感をかもし出すショパンというひとは、 ホントに底が知れない別格的大天才・・・)
なおアウエルバッハ、演奏も自分でこなしてます。
さらにすぐれた詩人でもあり、2004年にはこの若さでノーベル文学賞にノミネートされたほど。
これまた凄い天才であります。
天才って、ホントにいるんだなあ・・・。
(10.1.25.)
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