Cello Project/RUSSIAN SOUL
カプースチン/チェロ・ソナタ第2番・ラフマニノフ/チェロ・ソナタ ほか
(2010)



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次女の国立大学二次試験が終わりました!
もちろん受かるかどうかわかりません。
落ちたら後期試験も受ける予定にはしているのですが、本人はもう「終わったー!」モードで遊び呆けてます。

おかげで私も心置きなく雑音をまき散らせる チェロの練習ができます。
じつは近々チェロ・アンサンブルの会がありまして、「パッヘルベルのカノンやりますから」と先生に言われたのです。
「カノン」はもともと、3つのヴァイオリンと1つのチェロ(バス)のための曲なので、ヴァイオリン・パートをオクターブ下げれば、チェロ・アンサンブルで弾けます。
渡されたのは”第3チェロ”の楽譜とバス・パートの楽譜。
これはつまり・・・。

 「第3チェロが弾けたら弾かせてあげるけど、弾けなかったらバス・パートね。」

という意味と思われます。
この曲のバス・パートは・・・。



この8つの音をひたすら54回繰り返します、超退屈!
これをネタにした漫談があるくらいです。

 

ただいま”第3チェロ”練習中ではありますが、む、難しい・・・。
やっぱり私に弾けるのはバス・パートだけですね、どう考えても。
まあ、このバスをきちんと弾くことは、それはそれで良い鍛錬になりそうです。


さて、ジャズ・スタイルの現代作曲家ニコライ・カプースチン(1937〜)の曲は、
以前「ピアノ曲集」「8つの演奏会用エチュード」 を取り上げたことがありますが、カプースチンはピアノ曲ばかりではなく室内楽もたくさん書いています。
このCD”RUSSIAN SOUL”は、エッカルト・ルンゲ(チェロ)、ジャック・アモン(ピアノ)の「チェロ・プロジェクト」による、カプースチンラフマニノフのチェロ作品を集めた一枚です。
「ロシアン・ソウル」といっても二人ともドイツ人らしいんですけど。

ジャケット写真は、駅のホームで気持ちよさそうに演奏する二人。
でも裏ジャケでは、列車に遅れて大慌て(ピアノはどうするの!)。



冒頭に収められたカプースチンチェロ・ソナタ第2番は、得意のジャズ・スタイルで書かれた楽しい曲。
チェロはメロディを奏でたり、ジャズ・ベース風にピチカートでピアノを支えたり大活躍。
急速楽章でのピアノとチェロの掛け合いは小粋でジャジー、静かな第2楽章はクラシカルに始まりますが、中盤で控えめにスウィングします。
気楽に楽しめる、肩の凝らない音楽です。

 カプースチン:チェロ・ソナタ第2番・第1楽章
 

続いてラフマニノフのチェロとピアノのための小品が2曲。
ラフマニノフカプースチン、意外な組み合わせに思えますが、どちらもロシアの作曲家兼ヴィルトゥオーソ・ピアニストという共通点が。
切々と歌われる”ヴォカリーズ”に胸がキュンとします(←キモイ)。

続いてはカプースチンのチェロとピアノのための小品が3曲。
ジャズっぽい”ブルレスケ”、ラフマニノフ風に始まり途中からやっぱりジャズになる”エレジー”、優雅で洒落た”ほとんどワルツ”
ラストのラフマニノフ/チェロ・ソナタに到達する前にお腹いっぱいになってしまいそうです。

 カプースチン:ブルレスケ
 

そのラフマニノフのソナタも、とても素晴らしい演奏。
カプースチンのあとで聴くせいか、第2楽章のスケルツォがどことなくジャズ風に聴こえるのが不思議。

それにしても、こんなに自由自在にチェロが弾けたら楽しいだろうなあ〜。
これからもうひと頑張り、「カノン」を練習するとします。

(2015.02.28.)


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