寺内タケシとバニーズ/レッツ・ゴー「運命」
(1967)
Amazon.co.jp : レッツ・ゴー「運命」
寺内タケシとブルージーンズ:運命(ライヴ)
暑中お見舞い申し上げます
皆様いかがお過ごしでしょうか。 私は暑いです。
こういう暑いときには、心頭滅却すれば火もまた涼しというか、毒も食らわば皿までというか、
飛んで火にいる夏の虫というか、なにを言ってるのか自分でもよくわかりませんが、
かえってあつ〜い音楽に身も心もまみれてしまいたいという、一種自虐的な願望が沸き起こってまいります。
で、これです。
レッツ・ゴー「運命」
エレキギターの開祖・寺内タケシ氏が、全曲クラシック音楽でまとめたインストゥルメンタル・アルバム。
きわめつけに熱いです。
というか暑苦しいです。
最高です。
「運命」「白鳥の湖」「ペルシャの市場にて」「熊蜂の飛行」「ショパンのノクターン第2番」「剣の舞」
「未完成」「ハンガリー舞曲第5番」「カルメン」「ドナウ川のさざなみ」「ある晴れた日に」「エリーゼのために」
というベタベタな選曲を、ベタベタなアレンジで弾きまくります。
クラシックをロックにアレンジして、アルバム一枚まるまる仕上げてしまうとは(しかもインストゥルメンタル)、
当時としては大胆不敵な発想。 いや今でもかも。
ただ、クラシックとロックの融合と言っても、ELPとか、ルネッサンスみたいな高尚プログレ系ではありません。
ギターのアドリブは五音音階、はっきり言って津軽三味線に聴こえますし、
「白鳥の湖」「ドナウ川」で、テーマを演奏するのはなんと尺八。 おぉ日本的、という以前に怪しさ大爆発。
しかし全体にみなぎるエネルギー、凶暴と言いたいほどのパワー、破れかぶれなテンションの高さはいったい何事か。
素材はクラシックですが、日本の夏祭りを連想してしまうほどです。
そう、阿波踊りかよさこいか、はたまたねぶたみたいな、熱気と迫力が充満したアルバム。
1960年代、高度成長期の日本って、こういうわけのわからないエネルギーに満ちていた気もします。
さあ、あなたも寺内タケシのギタープレイを聴いて、暑さを吹き飛ばそうではあーりませんかっ!
・・・・・・
うーっ、よけいに暑くなってきたぞっ!!
(06.8.14.)
P.S.ところで「運命」といえば、これも面白かったなあ → 「朝ごはん」