ストラデッラ/ヴァイオリンのためのシンフォニア集(2枚組)
(Ensemble Goardino di Delizie, 2020録音)



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Tower : ストラデッラ/ヴァイオリンのためのシンフォニア


放蕩と遊興の限りを尽くした無頼派作曲家 アレッサンドロ・ストラデッラ(1639?43?〜82)。
最後は女絡みで恨みをもった貴族が刺客を送り、ジェノヴァの広場で刺し殺されてしまいました。

 アレッサンドロ・ストラデッラ/ヴァイオリンのためのシンフォニア集

シンフォニアとはいっても、ヴァイオリン独奏と通奏低音のための音楽で、要はヴァイオリン・ソナタです。

 シンフォニア 第8番 ヘ長調
 

なんという優美で高貴な音楽!
とても教会の金をちょろまかしてローマから逃げた男の書いた曲とは思えません。

 シンフォニア 第1番 ニ長調
 

晴れやかで活気に満ちたソナタ、さすがコレルリの先輩です。
とても女を誘惑しては金を貢がせるのを得意としていた人の書いた曲とは思えません。

 シンフォニア 第4番 二短調 
 

・・・メランコリックな哀愁が薫る、ロマンティックな曲。
貴族に音楽家として雇われては、そこの令嬢とねんごろになる女たらしの残した音楽とは思えません。
金にも酒にも女にもだらしないけど、どこか人を惹きつける魅力のある人だったのかなあ。

いまは後輩であるアルカンジェロ・コレッリのほうが圧倒的に有名ですが、
これを聴くとコレッリはストラデッラからかなりの影響を受けていたことがわかります。
滅茶苦茶な生活を送りながら、流麗な器楽曲や高貴な宗教音楽を量産したストラデッラ、破滅型の天才です。
品行方正な私としては(←自分で言うか)あまりお近づきになりたくないタイプですが、ちょっと憧れる気持ちもないわけではないです。

 シンフォニア 第9番 ト長調 (昇る朝日のような爽やかさいっぱいの曲)
 

演奏はEnsemble Goardino di Delizie
Ewa Anna Augustynowiczのバロック・ヴァイオリンに、チェロ、テオルボ、ハープシコードの4人編成。
初めて名前を聞くヴァイオリニストですが(つーか、なんて読むの?)、エンリコ・ガッティとエンリコ・オノフリの弟子だそう。
艶めかしく情緒豊かな美音に酔うひとときの快楽を楽しみます。

(2021.08.28.)


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