シュメルツァー/Unarum Fidium
(独奏ヴァイオリンのためのソナタ集・1664)
ジョン・ホロウェイ(ヴァイオリン)ほか 
(ECM 1668)



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Schmelzer Unarum Fidium よりソナタ第4番(このCDの演奏ではありません)


ヨハン・ハインリッヒ・シュメルツァー(1620〜1680)は、
オーストリア人で初めてウィーンの宮廷楽長になったヴァイオリニスト/作曲家で(それまではみなイタリア系)。
「オーストリア・ヴァイオリン芸術の創始者」と言われている人です。

20代からウィーンのハプスブルグ家の代々の当主に仕え、
1671年には副楽長、73年には貴族に列せられ、1679年、ついに待望の宮廷楽長に!

しかし翌1680年、ペストで死亡。 なんか気の毒。

この"Unarum Fidium"(1664)は、ドイツ語圏初の「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」だそうで、
6〜10分のソナタが全部で6曲おさめられています。
通奏低音の上でソロ・ヴァイオリンが即興的に奔放に歌い、
なかには全体がひとつのパッサカリアになっているソナタもあります(第3&4番)。
ビーバーの「ロザリオのソナタ」(1674)を連想させる部分の多い、私好みの音楽。

この曲集には、1995年録音のロマネスカ盤(HMF  HMU 907143)という名盤があり、
アンドリュー・マンゼのヴァイオリン、ナイジェル・ノースのテオルボ、ジョン・トールのオルガン/チェンバロが
生き生きとしたラプソディックな演奏を聴かせてくれました。

今回取り上げたホロウェイ盤は1999年の録音。
ヴァイオリンの音色に暖かみがあり、マンゼと比べると良くも悪くも温和な雰囲気です。
面白いのが通奏低音の選択で、なんとオルガンとハープシコードをいっしょに鳴らしています。
テオルボとか、ガンバなどの弦楽器は使っていません。
オルガン・ハープシコード・ヴァイオリンの三重奏というのはあまり聴いたことがないのですが
ポジティヴ・オルガンの柔らかい響きが他の二つの楽器をやさしく包み、独特の音空間を作り出しています。
さすがにECM、バロックでも普通のCDは作りませんね。
時代考証的にはちょっと問題ありかもしれませんが、面白い響きです。

このCDには、"Unarum Fidium" の前に、シュメルツァーの師といわれるベルターリの「シャコンヌ」が収められていて、
最後に、作曲者不明(伝ビーバー)のヴァイオリン・ソナタが収録されています。
これらも、とてもいい曲です。

(02.3.19.記)

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ベルターリ:シャコンヌ




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マンゼ盤・これも名盤です

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