モーツァルト/レクイエム(弦楽四重奏版)
(ドビュッシー四重奏団)



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無宗教者のためのレクイエム


こないだ、ビール飲みながら、寝っ転がってフィギュア・スケートを見ていますと、安藤美姫の使用曲に何やら聴きおぼえが。

「こ、この曲は、コマギレ・ツギハギになっているけど、モーツァルトのレクイエムではないか!」

(なんか最近よく似た展開があったような・・・)

モツレクは大好きで、ずっと以前にこのような演奏をご紹介したこともあります。
でも、こんなにぶつ切り&シャッフルされると気持ち悪いなあ・・・。
ただし演技はとても素晴らしかったです。

そういえば最近、面白そうなモツレクのCDを見つけたので、またふらふらと買ってしまったっけ。


 歌なしの弦楽四重奏ヴァージョンです。

 レクイエム(弦楽四重奏版)イントロイトスより(ドビュッシー四重奏団・ライヴ)
 

編曲したのはペーター・リヒテンサール(1780−1853)という人。
医者で、音楽の愛好家でもあり、モーツァルトの息子とも親しかったとか。

このヴァージョンの録音、いままでにもいくつかあったみたいですが、
今回のドビュッシー・カルテットは、リヒテンサールの自筆譜に当たったうえで、独自の改訂を施しているそうです。

弦楽四重奏のための純音楽作品としてしっかり完成しています。
精緻な対位法も、よりピュアな形で味わえます。
私のような無宗教人間はこっちのほうが落ち着いて聴ける気さえします。

美しいメロディがてんこ盛りのこの超名曲ですが、独唱・合唱・管弦楽フル装備で強弱のコントラスト激しい原曲はあまりにも荘厳、
寝っ転がって「ながら聴き」なんかしちゃうと、

 「よくも聞き流しやがってコノヤロー、必殺技・怒りの日!

と神のイカズチが頭に落ちそうな気がするんですよ。
そこへいくとこの四重奏版は優しげな感じでよろしいですね。

 レクイエム(弦楽四重奏版)ラクリモーサ(このCDの演奏ではありません)
 


ただ、骨格だけになるとごまかしが効かないのでしょうか
弟子ジェズマイヤーが補筆した「サンクトゥス」「ベネティクトゥス」「アニュス・デイ」
モーツァルト自身が作曲した部分に比べてガクンと落ちることが、原曲以上にまるわかりになってしまってます。
キビシイもんですな・・・。

まあそれはそれとして、モーツァルトに弦楽四重奏の名曲がひとつ増えたような気がする、モーツァルト好きとしてはうれしいアルバムではありました。

(09.12.9.)




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