ゲーゼ/弦楽のための二つのノヴェレッテン
(オーヴェ・ラーセン指揮 オーフス室内管弦楽団)
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今年2017年は、デンマークの作曲家 ニルス・ゲーゼ(Niels Gade, 1817〜1890)の生誕200年。
おや場内から
「誰やそれ?」 「知らんぞ」
という声が聴こえますね。
まあ、あまり知られていませんよね・・・。
ゲーゼはフェリックス・メンデルスゾーンの弟子筋にあたるお方。
以前、交響曲を何曲かご紹介したことがあります。
指揮者としても有能で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とシューマンのピアノ協奏曲の初演では指揮を担当、
メンデルスゾーンの死後、その跡を継いでライプチヒ・ゲヴァントハウスの2代目指揮者に就任したという、地味にスゴイ人であります。
そう、スゴイんですが地味でして、今年も生誕200年にもかかわらず、
まったく全然これっぽっちも盛り上がっていないことと言ったら、かえってすがすがしいほど。
ゲーゼの音楽の特徴は、メンデルスゾーンをさらに洗練したと言えばいいのでしょうか、
優雅で上品で可憐で流麗で、重くなったり深刻になったりすることなく、
にっこり微笑みを浮かべながら朝の木立を散策するような、お肌しっとり爽やか感が特徴です。
・・・あまりにも上品すぎて記憶に残りません(泣)
多少は泥臭さやクセがあったほうが印象的でキャッチーですよね。
しかし、泥臭くなるとゲーゼでなくなってしまいます・・・。
2曲の「弦楽のためのノヴェレッテン」(作品53&58)は、まあ弦楽セレナードみたいなもの。
「弦楽セレナード」といえばチャイコフスキーが有名ですが、ゲーゼのあとにチャイコを聴くと、チャイコフスキーの「くどさ」「あざとさ」がよくわかります。
逆に言えばチャイコフスキーのほうがキャッチーかつ印象的で盛り上がるわけです。
しかし、ゲーゼの中庸で控えめな優しさ、じつに捨てがたいです。
良くも悪くも上品すぎるとも言えますが、聴くとホッとする音楽であります。
(2017.2.25.)
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