岸本佐知子/ねにもつタイプ
(筑摩書房 2007年)
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Amazon.co.jp : ねにもつタイプ (ちくま文庫)
(2010年1月、文庫版出ました。微妙に増量。)
奇想 空想 夢想 幻想がダダ漏れですよ岸本さん。
「エッセイ集」だと思ってうっかり読むとえらい目に会います。
これは「妄想集」であります。
ミシンを開けば脳内にサンダーバードが鳴り響き、トイレットペーパーと会話をし、
郵便局はコロッセウムとなり戦いの火蓋が切って落とされ、バンドエイドを浴槽のふちに置き忘れる(これは普通か)、
気鋭女流翻訳家の精神が生み出した奇天烈カーニバルにあなたは耐えられるか。
よくSFで、相手の深層心理の中に潜りこんで、トラウマを治療してあげる、みたいな話がありますが、
岸本さんの心の中に潜ったら、絶対笑い死にします。
前作「気になる部分」よりも、数段パワーアップ、
ことによると殺傷能力あるんじゃないかと思うほどのお笑いパワーを持つ一冊です。
危険です。
すみやかに第1級・紙媒体型危険資料(乙種)に指定し、メディア良化委員会より閲覧制限を。
とくに公共交通機関内や食事中の閲覧は、
突然の爆笑・口腔内容の噴出等、有害事象の多発が予測されるため、これを厳しく規制。
さらに睡眠前の閲覧は、笑撃性興奮による入眠困難を誘発しやすいうえ、
夢の中に「べぼや橋」「小さい富士山」「猫マッサージ屋」「コアラの鼻」などが現れては消え、
「わけのわからない供述」をするため、閲覧者によってはうなされて睡眠不足に陥る恐れ無しとせず。
また読み終えた後も長期間にわたり「思い出し笑い発作」を発症する可能性が高いため、
見合い・面接・通夜・葬式等の行事を控えた者の閲覧は、くれぐれも注意警戒怠りなきよう。。。。
禁書に指定されないうちに是非お読みください。
クラフト・エヴィング商會による、ビクトリア朝風のすっとぼけたイラストも、良い味を出しております。
(07.3.10.)
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しかしこれすらも「ねにもつタイプ」への前奏曲に過ぎなかったっ!