岸本佐知子/なんらかの事情
(筑摩書房 2012年)



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日本が宇宙に誇る妄想変人(←誉めてます)岸本佐知子さん 混信 渾身の脱力エッセイ第3弾!
「ねにもつタイプ」から、はや6年たったのか・・・。

その「ねにもつタイプ」ハードカバー版には、危うく笑い死にさせられそうになったものです。
さらに「微妙に増量」の文句につられて文庫版も買い、グフグフ笑って読んでたら家族に気味悪がられました。
その後古本屋でハードカバーが100円で売られているのを発見。

 「おお、この名著がこんなところに、不憫な・・・」

持っているのに買って帰って枕の下に敷いて寝ました。
そしたら夢の中に「コアラの鼻」「べほや橋」「小さい富士山」「猫マッサージ屋」などが登場、

 「お買い上げありがとうございます、お礼にみんなで踊ります!」

手をつないで「プリティー・ウーマン」「チェリー・ボム」を踊ってくれました。 

 うなされました。


さて「なんらかの事情」ではその轍は踏むまいと(←意味わからん)
ひとつ眉間に縦ジワを寄せ、顔色一つ変えずに読了して見せようぞ!
と心に誓い、潔斎精進・結跏趺坐のうえで、本書をひもときました。

 ・・・15秒で爆笑しました。

相変わらずじつに安定した妄想・奇想・暴走・迷走ぶりです。
毎日ジミチに妄想に励んでいるよいこのための必読書。

ただし人生における有益な指針や展望や希望が得られるわけではありません。
これっぽっちも役に立ちません。
そのかわり世界がとろけるような感覚や、異次元生物と会話しているような感覚や、
変な本を読んで時間を無駄にした感覚を味わうことができます。

とくにお気に入りは、「おめでとう、元気で」(196ページ)。
私はたぶん、この中の5人くらいと同一人物です。

でも今回は枕の下に敷いて寝るのはやめようと思います。

(2012.11.23.)

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