リゲティ/練習曲集&ムジカ・リチェルカータ
(ピエール=ローラン・エマール:ピアノ)
Amazon.co.jp : Ligeti:Works for Piano
バッハ/無伴奏チェロ組曲第5番・プレリュード。
いつから練習してるんだっけ、これ?
どうやらこの記事からのようなので、かれこれ4か月も悪戦苦闘していることに。
いやー、さっぱり弾けません。
とにかく難しいです。 カッコイイ曲なんだけどなあ〜。
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番・プレリュード
この動画みたいに弾ける日を夢見ています。
砂漠で蜃気楼を追いかけてる気分です。
おそらくそんな日は決して来ませんけど、一歩でも近づけるように頑張ろう!
・・・しかし音多すぎるな、この曲。
さて、「音が多い」ときたので、逆に「音が少ない曲」を連想しました。
ジョルジ・リゲティ Gyorgy Ligeti(1923〜2006) のピアノ曲 ムジカ・リチェルカータ Musica Ricercata(1951〜53)。
全11曲からなる組曲ですが、まず第1曲ではラ(イ または A)の音しか使われません。
オクターヴの違うラは使いますが、とにかくラのみ。
そして最後にレ(ニ またはD)が一度だけ鳴らされます。
(ほぼ)一つの音だけでどうやって曲を作るのかと思いますが、とにかく百聞は一聴にしかず。
ムジカ・リチェルカータ 第1曲
そして第2曲はファ(F)とファ♯(Fis)とソ(G)の3つの音で書かれています。
ムジカ・リチェルカータ 第2曲
当然、第3曲は4つの音。
ムジカ・リチェルカータ 第3曲
1曲ごとに音は1つずつ増え、最後の第11曲でオクターヴの12の音がすべて登場。
12音列でつくられた主題による厳粛なリチェルカーレ(フーガの一種)で幕をとじます。
結局最後には音が多くなっちゃうんですけどね。
ムジカ・リチェルカータ 第11曲
知的な遊びに満ちた曲であり、なにより素晴らしいのは、聴いて面白いこと。
そう、リゲティは「聴いて楽しい現代音楽」を作った、20世紀の天才作曲家。
前衛的なのに難解じゃないって、凄いことです。
このディスクには、彼のピアノ曲の代表作である「練習曲集」も収められています。
ずっと以前にイディル・ビレットの演奏をご紹介しました。
ビレットののどかで大人しい演奏にくらべると、現代曲のスペシャリストであるピエール=ローラン・エマールの演奏は、切れ味抜群。
圧倒的な技巧でこの難曲を弾き切って涼しい顔です(見えるんかい)。
このCD、おそらくはリゲティ「練習曲集」の決定版、サイコーです。
リゲティ:練習曲第13番「悪魔の階段」
(2015.4.26)