アレクサンドル・デュマ/モンテ・クリスト伯(1841〜45)
(山内義雄・訳 岩波文庫 全7巻)
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モンテ・クリスト伯〈1〉 |
モンテ・クリスト伯〈2〉 |
モンテ・クリスト伯〈3〉 |
いやー、読みました、ついに読みました。
デュマ「モンテ・クリスト伯」全7巻。
デュマといえば以前、佐藤賢一「褐色の文豪」を取り上げましたが、
白状しますとあの時点ではデュマの作品、一冊もまともに読んでいなかったのです。
「これではいけない」・・・とはべつに思っていませんでしたが、
ふと読み始めたら止まらなくなりました、恐るべしデュマ。
うーむ、確かに現在まで読み継がれているだけのことありますねこれは。
恋愛あり、裏切りあり、殺人あり、波乱万丈の復讐物語。
160年以上前の作品とは思えない面白さでありました。
牢につながれたダンテスの苦しみを1巻まるまる使って克明に描いておいて、
第2巻冒頭でついに前半のクライマックス、大胆な脱獄シーンへ。
手に汗握る緊張、大きなカタルシス、これぞ小説の醍醐味。
読者はここで完全につかまってしまうのですね。
「ああもうどこまでもついていきます!」
と身もだえしながらページをめくるのであります(←変態か)。
緻密な復讐計画に基づいて沈着冷静に行動するモンテ・クリスト伯。
中盤ではその内面はほとんど描写されませんが、
最初の復讐を成し遂げて「これで一人!」と、つぶやく伯爵に、
「仕事人かー!」と突っ込みながら読みました。
復讐の鬼と化したエドモン=モンテ・クリスト伯ですが、
後半に至り、少しずつ彼の心理も描写されるように。
復讐のむなしさにもまた気づいてゆくモンテ・クリスト伯。
自分の復讐が引き起こした新たな不幸に、悩み苦しみます。
しかし最後はハッピーエンド!
この長大な復讐物語を、つじつま合わせてハッピーエンドにもっていくとは、
なんという 強引な 巧みなストーリーテリングの妙、
「ご都合主義」と言いたくなりますが言わせないその力技。
そしてさわやかな読後感。
これこそが人気の秘密とみたっ!(←偉そうに)
凄いよアレクサンドル・デュマ(1802〜1870)(←偉そうだよ)、滅法面白いじゃありませんか。
50年以上も前の翻訳ですが、びっくりするほど読みやすいし。
ちょいと調べてみると、「三銃士」「王妃マルゴ」「王妃の首飾り」など、
ほかにも面白そうな作品がたくさん。
これは読まなければ、読みますとも、全部読みます!
ええ本気です。
本気と書いてマジ、運命と書いてさだめ、永遠と書いてとわ、夫婦と書いてめおと!!
なに言ってるのか自分でもわけわかりませんが、
とにかくこれからガシガシ読むのでありますよ。
アレクサンドル・デュマ、待ってろよ(←だから偉そうだって)。
(08.4.13.)