ベネデット・マルチェッロ/6つのチェロ・ソナタ
(アンソニー・プリーツ、リチャード・ウェブ:チェロ クリストファー・ホグウッド:チェンバロ)



Amazon.co.jp : Marcello: 6 Cello Sonatas

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バッハの無伴奏チェロ組曲第1番を、ぬかるみの牛の歩みのようにボソボソ練習しています。
それでもまあコケの一念とでも言うのでしょうか、
第1曲プレリュードがどうにかこうにか「弾ける?オレ弾けてる??」みたいな状態になってきました。

もちろん音程は外れまくり、テンポは変わりまくり、音は濁りまくり・うわずりまくり、いろいろまくりつつ、
ゴールに入ったとたんに崩れ落ちる長距離走者のように息も絶え絶えながら、なんとか最後まで辿りつけることもあったりします。

聴いても直ちに人体に影響を与えるレベルではないですが、とうてい人様にお聴かせできる代物とは言えません。


さて最近、無伴奏と並行して練習しているのが、

 ベネディット・マルチェッロ/チェロ・ソナタ ホ短調 作品1−2から第1・2楽章
 

スズキのチェロ教本・第4巻」に収録されている曲です。

ベネディット・マルチェッロ(1686〜1739)は、オーボエ協奏曲「ヴェニスの愛」で有名な兄アレッサンドロ(1669〜1747 )とともに
ヴィヴァルディとほぼ同じ時期にヴェネツィアで活躍しました。

といってもヴィヴァルディとは滅茶苦茶仲が悪かったらしいです。
サンタンジェロ劇場の権利をめぐって訴訟沙汰になったりもしました。
ベネディットは、「当世流行劇場」という、当時の歌劇場のいかがわしさを風刺した書物を著し、
その中でヴィヴァルディのことを辛辣に批判しています。

じつはマルチェッロ兄弟は名門貴族の出。
とくにベネディットは法律家でもあり、ヴェネツィア政界に入り、議員までつとめました。
平民出のヴィヴァルディとはウマが合わなかったでしょうし、司祭の身でありながら大々的に歌劇の興行を打ち、大人気で、
浮かれている(ように思えた)ヴィヴァルディのことが気に入らなかったんでしょうかね。

しかし、「当世流行劇場」の作曲家批判の部分は、ヴィヴァルディの売れっ子ぶりをやっかんでいるようにしか読めません。
ちょっとイタイです、マルチェッロさん。
それでも、当時の歌劇をめぐる状況を赤裸々に描いた書物として、資料的価値は高いんだとか。


さて、「6つのチェロ・ソナタ」(1712)は、地味ながら上品なソナタ集。
ベネディットの確かな腕前が感じられます。
とくに「ソナタ第2番ホ短調」は、いかにも「イタリアン・バロックでございましてよ」という雰囲気で
貴族だからというわけでもないでしょうが、乙に澄ました表情がかえってチャーミング。
アレッサンドロオーボエ協奏曲「ヴェニスの愛」と共通した風情があります。

・・・と思いながら聴いていたら、

 6曲ともほとんど同じです!

ここまでワン・パターンだと、全部聴きとおすのはちょっとつらい。
ヴィヴァルディのチェロ・ソナタはもっとヴァラエティありますよ。
やはり作曲家としての格の違いでしょうか・・・。

(11.4.10.)





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