空想の音楽会・6
ヴェルサイユ宮・大理石の中庭におけるリュリのオペラ・コンサート
(ジャン・フランソワ・パイヤール指揮 パイヤール管弦楽団)
(エラート 1972録音)


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(同内容の輸入盤)

いとも高貴な音楽

このアルバムにおさめられた、リュリの歌劇「アルミード」のパッサカリアが大好きです。
ほかにも良い曲いろいろ入ってますが、とにかく「パッサカリア」
なんという崇高で気高い音楽!

ジャン・バティスト・リュリ(1632〜1687)は、フィレンツェの貧しい粉屋の息子として生まれ、
音楽家を目指してからは、並み居るライバルを押しのけ蹴落とし、ついにはルイ14世の宮廷楽長として絶大な権力をふるいました。
M・A・シャルパンティエもその才能ゆえか、リュリに宮廷への出入りを差し止められ、しかたなく教会音楽に活路を見出しました。
傲岸不遜で陰険至極、好色家のうえに男色家でもありました。
敵に毒殺されかけたこともあったけれども切り抜けましたが、結局55歳のとき、指揮棒で自分の足を突いた怪我が化膿、敗血症で死んでしまいました。
当時の指揮棒は太く長い棒で、床を叩いてテンポをとっていたのです。
死後には莫大な財産と5件の邸宅が残ったとか。

そんな愛すべき性格のリュリ氏ですが、このアルバムにおさめられたオペラの抜粋は格調高く、優雅&洗練のきわみ。
芸術作品の品格と、創作者の人格が相関しないことは百も承知ですが、これもまたその良い例といえましょう。

ところでこのCD、国内盤ですが歌詞がついていません。
さきほどから「高貴」だの「崇高」だの言ってる「アルミード」のパッサカリアも、内容はさっぱりわかっておりません。
実はひじょーにしょーもない内容の歌詞だったらちょっと困るな。

ところで、リュリを主人公にした2000年のフランス映画王は踊るは、豪華な映像、優雅な音楽、美麗な踊りが楽しめる名作です。
リュリ氏も、アクは強いもののなかなか魅力的に描かれていました。

(06.5.28.)

「アルミード」第5幕より「パッサカリア」(このCDの演奏ではありません)


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