村上春樹/東京奇譚集
(新潮社 2005年)


Amazon.co.jp : 東京奇譚集

私にとって村上春樹を読むことは、ある種、神聖な儀式のようなものなので、
書斎に古いジャズを小さな音で流し、深煎&細挽きのコーヒーを濃い目に入れて、
リクライニング・チェアに身を沈めて、じっくりと愛しむようにページをめくる・・・
と、やりたかったのですが、諸般の都合の結果、歯医者の待合室で読みました。
まあ少なくとも治療中はリクライニング・チェアに身を沈めておりました。 本は読めませんけどね。 やれやれ。

5つの「奇譚」を集めた短編集。
不思議な偶然の一致の話や、泥棒猿が人間と会話する話など、
さまざまなレベルの「奇譚」が並んでいます。
短編集ということもあり、最近の村上春樹の小説のなかでは気軽に読めました。
ねじまき鳥クロニクル」や「アフターダーク」がピンと来なかった人(私のことです)でも大丈夫。

上等の白ワインのようにするすると身の腑にしみこんでくる文章(安いのしか飲んだことないけど)
収まるべきところに収まる基本的にハッピーエンドなストーリー(どれも広い意味で喪失と再生の物語です)
お洒落で深みのある会話の応酬、気の効いた比喩・・・。
村上春樹をはじめて読むという人に、意外とおすすめかもしれない、と思いました。

それにしても、歯石というのは、あんなにがぎがぎがぎがぎやらないと取れないのですかね。
痛くはないのですが、勢い余って歯ごと抜けはしないかと不安になります。
で、今回など、取れた歯石がなぜか腎臓の形をして・・・いませんでした、さすがに(読んでいない方には意味不明ですみません)

(06.5.14.)

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