ベニー・ゴルソン/ゴーン・ウィズ・ゴルソン
Benny Golson / Gone With Golson

(1959)



Amazon.co.jp : Gone with Golson

Tower@jp : Gone With Golson


以前、お酒の席で、ジャズ・マニアの知人に、「好きなサックス奏者は?」と訊かれたので

「ポール・デスモンドとベニーゴルソン」と答えると

 「この軟弱もの!」

と怒られたことがあります。

「あと、ズート・シムズもわりと好きで・・・」

と言うと、殴られそうになりましたよ。
イヤですねえ、心の狭い人は。

これらのサックス奏者に共通するのは、
「深刻でない」「汗臭くない」「肩がこらない」ことです(←やっぱり軟弱)。

ポール・デスモンド「ファースト・プレイス・アゲイン」 「イージー・リヴィング」などは
20年以上も聴きつづけてきた愛聴盤。
これからも一生の友としたい涼しげな名作です。

ベニー・ゴルソンは、それほど有名でないかもしれませんが、
「モーニン」大ヒットの頃のジャズ・メッセンジャーズのミュージカル・ディレクター。

トロンボーン奏者カーティス・フラー超名盤「ブルースエット 」(1958)の仕掛け人でもあり、
作曲、アレンジ、演奏のすべてを仕切ってます。
ディレクターとしてあまりにも優れているがゆえに、サックス・プレイヤーとしては逆に評価が低いという、損な人。

じつは1960年前後のゴルソンのアルバムはどれも素晴らしいのです。
知的ですみずみまで神経が行き届いた、心地よい作品ばかり。

どれか一枚と言えば、ニッコリ笑って傘を高く差し上げたジャケ写の意味不明さ(?)から「傘のゴルソン」として知られる、

 ”Gone With Golson"

でしょうか。

超名盤「ブルースエット」でも競演の盟友カーティス・フラーとの美しいハーモニー、レイ・ブライアントの控えめなピアノも渋い。
とくにミディアム・テンポで上品にまとめたトラック2「枯葉」はいいですねえー。
 
 

トラック5「Jam for Bobbie」では、超名盤(←しつこい)「ブルースエット」超名曲「ファイヴ・スポット・アフター・ダーク」にも出てくるフレーズが一瞬登場します。

 

仕事に疲れた体を優しくほぐしてくれる一枚。
これと一杯のビールがあれば、最高にリラックスできるってもんです(←じつは一杯では済んだためしがない)。

(09.9.10.)


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