グリエール/ハープ協奏曲 作品74
(オルガ・エルデリ:ハープ ボリス・ハイキン指揮 モスクワ放送交響楽団 1968録音)



Amazon : Gliere: Harp Concerto in E Flat major, Op. 74


先日、パイプオルガンの音がちょっと苦手(または怖い)というお話をしました。
まあ、どなたにも「好きな楽器」「苦手な楽器」はあるかとは思います。
しかし、「この楽器の音は嫌い!」という人が、一番少ないのではないかと思われる楽器はおそらく、

 「ハープ」

でしょう。
少なくとも私の知る限り、「ハープの音を聴くとじんましんが出る」 「ひきつけを起こす」という人はいませんから(そりゃおらんわ)。

さて、「ハープ協奏曲」というジャンルには意外に多くの名曲がありまして、
なかでもモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」は豪華絢爛な大傑作。
以前、ヘンデル、ディッタースドルフ、フランセの協奏曲を集めたCDをご紹介したこともあります。
名曲揃いの素晴らしいディスクでした。

あまり知られていないけれど、とても良い曲だと思うのが、
ラインホルド・グリエール(1875〜1956)のハープ協奏曲 作品74 (1938)です。
眉毛がつながったゴツイ顔のオジサンが書いたとは思えない、可憐で優美な曲です。

 
 
第1楽章は自由なソナタ形式ですが、ハープがポロンポロン鳴りはじめると、そこはピカピカに磨かれた床の上でキラキラの宝石が転がり戯れるような世界。
もう形式なんかどうでもよくなります。
愛おしさやらセンチメントやらトキメキやら感じているうちに、夢見心地で終わっちゃいます。
 

第2楽章は「主題と変奏」。
ロマンティックな主題が色彩的に変容してゆくさまは絶美にして優雅。
そこはかとないメランコリー、こまやかでしっとりとした肌ざわり、きらめきのアルペジオ、やっぱり途中から変奏なんてどうでもよくなって、
艶やかな美音にただ酔うのみとなります。
 

第3楽章は活発なロンド・ソナタ形式。
民謡風の主題は親しみやすく、挿入されるエピソードも朗らか、聴いていてなにやら幸せな情景が浮かび上がってきます。
独奏楽器のリッチで気品ある音色も、なんだか人懐っこく聴こえてきます。
これ、演奏していて気持ちいいだろうな〜。
1930年代の作品とは思えないほど古典的で保守的ですが、聴いてるうちにそんなことはどうでもよくなっちゃいます。
 


一般の音楽ファンにはあまり知られていない曲ですが、ハーピストの間ではすでにレパートリーとして定着しているようで、
You Tubeにはたくさんの動画が上がっています。
もっと広く知られるべき名曲でしょう。
そのうちフィギュア・スケートかCMで使われてブレイクするんじゃ?

(2018.02,25.)

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