若竹七海/静かな炎天
(文春文庫 2016年)



Amazon.co.jp : 静かな炎天 (文春文庫)

若竹七海&葉村晶、完全復活!


10年くらい前、四十肩になりました。
あれは辛いですねー、腕を動かすと痛くて。
ついに右腕が水平から上に挙がらなくなり、整形外科で肩に注射を打ってもらいました。
「水泳やってるので自分はならない」となんとなく思っていたので、けっこうショックでした。
まあ半年くらいで良くなって、50歳過ぎた今、肩は何ともありません。
ただ今年の夏ごろから右膝が痛むようになり、いまも湿布貼ってます。
年はとりたくないですな・・・(今回の原因はバタ足のやりすぎのような気もする)。

さて、女探偵・葉村晶も40歳を過ぎ、ご多分にもれず四十肩に。

 「できるだけ歩くようにし、軽くジョギングもしていた。 煙草もやめたし、甘いものも節制し、体脂肪率を落とした。 なのに、なんでこうなる」(70ページ)

そうなんです、なるんですよ、なぜか!(←妙に嬉しそうだぞ)

若竹七海/静かな炎天

前作「さよならの手口」からわずか2年で葉村晶が戻ってきてくれました!
今回は短編集です。
若竹七海、完全復活ですね!

四十肩に負けず、富山店長の無茶ぶりにも負けず、黙々と調査に励む葉村晶。
どの作品も丁寧に書き込まれていて、上質な読み応え。
品のあるハードボイルドです。
以前に比べるとブラックさがやや薄まったでしょうか、年をとって晶も丸くなったんですね。
全体に漂う飄々とした空気、そこはかとないユーモア、好きだなあこの雰囲気。
例によってミステリのウンチクも随所にちりばめられていて、読みたい本が増えます。

面白くてページをめくる手が止まらない一方で、「読み終えるのが惜しい!」と思う感覚を久しぶりに味わいました。

(2016.11.19.)


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