ピノック、プロムナード・コンサート(1985)
(トレヴァー・ピノック&ジ・イングリッシュ・コンサート)
Amazon.co.jp : Canon / Queen Sheba
Tower@jp : パッヘルベルのカノン〜バロック名曲集
以前お話した、チェロ・アンサンブルの会が終わりました。
「パッヘルベルのカノン」のバス・パートをノーミスで華麗に弾き切ってまいりました。
バスはこの2小節を54回繰り返すだけなんですけどね・・・(54回ですよ!)。
でも負け惜しみじゃなく、楽しかったです、他のパートとの絡みがとても面白かったので。
自分がアンサンブルの土台をつくっている感覚も味わえ、「縁の下の力持ち」ってこういうことかと実感しました。
まあ、この動画はちょっぴり身につまされますけど。
Pachelbel Rant
さて、私が最初に買った「パッヘルベルのカノン」のCDは、
ピノック、プロムナード・コンサート (1985)
もう30年も前なのかあ・・・。
当時売出し中のトレヴァー・ピノック率いるジ・イングリッシュ・コンサートによるバロック名曲集。
ピリオド楽器を使用した、速めのテンポによるキビキビ・サクサクしたスリムな演奏がとてもカッコ良かったです。
それまでバロックといえば、イ・ムジチとかジャン・フランソワ・パイヤールの良くも悪くもふくよかで優雅なスタイルが主流でしたから、
まさしく耳からうろこが落ちるような思いがしたものです。
その後、ピリオド楽器演奏はどんどん過激になってゆき、
テンポは果てしなく速く、鋭角的な響きと身振りの大きな、ロックのような激しい演奏が増えてきました。
そのうちステージで楽器を破壊したり火を吹いたりするんじゃないかと思います。
そこへゆくとピノック&イングリッシュ・コンサートはとても爽やか、スマートでスタイリッシュ。
刺激成分にやや不足する感は否めませんが、奇をてらったところのない、イギリス的な品格と矜持を感じさせる演奏、いま聴いても素敵です。
このアルバムは、パッヘルベルの「カノンとジーグ」をはじめ、ヴィヴァルディ、アルビノーニ、ヘンデル、パーセルなどの作品をバランスよく収録、
最後を飾るハイドンのチェンバロ協奏曲で、ピノック自身が華麗なソロを披露して幕を閉じる、心憎い構成。
ハイドンの協奏曲は、ピアノ協奏曲としてミケランジェリやアルゲリッチの録音で知っていましたが、
全く違う曲のような清新で溌剌としたピノックの演奏には、ショックに近いものを覚えたものです(もちろんミケランジェリもアルゲリッチも素晴らしい演奏です)。
パッヘルベルに限らず、私が初めて買ったCDって、ひょっとしてこれだったんじゃないかと思います。 3000円でした。
すっかり魅了され、バッハの協奏曲のCDも買いました。 3500円でした(昔は高かったのよ)。
バッハのチェンバロ協奏曲、最高でした! 今はボックス・セットで安く買えます。
今回、パッヘルベルのカノンを聴きたくて久しぶりに引っ張り出してきたのですが、懐かしさと素晴らしさに繰り返し聴いています。
パーセルのシャコンヌとか、昔よく聴いたなあ、好きだったなあ・・・(懐古にひたるオッサンの図)。
パーセル/シャコンヌ
(2015.03.21.)