アダージョ・カラヤン
(1995)



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先日の記事でお話した「パッヘルベルのカノン」
本番で弾かせてもらえるかどうかはともかく、とりあえず”第3チェロ”を必死で練習し、
ごまかしながらもそこそこ弾けてるかな(?)状態まで持ってくることができました。

なのでCDと合わせてみようと、わがCD貯蔵部屋・別名「魔窟」を探索し、「パッヘルベルのカノン」を収録したディスクを2枚発見。
さっそくCDをかけて、楽器を構えて弾きはじめ・・・・・・ずっこけました。

 「ピッチが違う! これ古楽器だ!」(決して私の音程がひどいわけではない!?)

古楽器演奏では一般に低いピッチを採用し、現代楽器に比べて約半音低くなっているのです。
なんと2枚とも古楽器でした!! これでは合わせられません。

 「うーむ、現代楽器による『カノン』のCD、なかったかなあ? なにか持ってたような・・・」

考えることしばし、

 「アダージョ・カラヤンに『カノン』入ってなかったっけ?」 

「アダージョ・カラヤン」、確か10年くらい前に人に貰った覚えが。
ふたたび「魔窟」を捜索すること約20分、見つけました! 「カノン」収録されてました、やったー!!
当たり前ですが現代楽器による流麗な演奏、恐れ多くもベルリン・フィルであります。
張り切って一緒に弾いてみましたが・・・・・・、ひゃあ〜、ついて行けません。
何度やっても途中で振り落とされます、待ってくれ〜、置いて行かないでくれ〜(涙)。

 

アダージョ・カラヤン (1995)は、
大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)がベルリン・フィルと残した膨大な録音から、スローテンポの曲を集めたコンピレーション。
発売元のドイツ・グラモフォンも驚くほどの大ヒットを記録、続編や類似品が次々に発売されました。
「癒し」という言葉が流行り、「アダージョ・ブーム」なんて言われたりしました。
今年、発売から20年になります、光陰矢のごとし。
さて虚心坦懐に聴いてみますれば・・・、やはり綺麗です、流麗です、洗練の極みです。
ツヤツヤでピカピカな弦の音、甘美なうたごころ、完璧に磨き上げられたクリスタルな響き。

 「カラヤンの演奏は綺麗だけど表面的で内容に乏しい」

と批判する人は多いですが、これだけ綺麗なら存在意義は十分。
シリーズ累計500万枚のセールスが証明しています。
そもそもカラヤンさん、このスタイル確信犯でやってると思います。
極限まで表面を磨き上げつつ、曲の内面とか精神面とかいうめんどくさい領域には決して踏み込みません。
かつて「偉大なるドイツ精神の体現者」として、ナチスによって祭り上げられたフルトヴェングラーが戦後は一転、批判の嵐を浴びたのを見たカラヤン、
「精神性なんてロクなもんじゃねえな、ていうかアブなくね?」と思ったのかもしれません。
自分もナチス党員だったことでさんざん批判されましたしね。

しかしまあ、耽美だなあ〜、とろけるなあ〜、魔力あるなあ〜。
マーラーもバッハもモーツァルトもおんなじ音色ですが、ご本人が「これでいいのだ!」というんだから、いいじゃないですか。
これにケチつけるのは、一流パティシエが作ったデザートを「糖分が多くてけしからん」とけなすようなもの。
だったら食べるなよってことです。

この響きに浸ったあとで自分のチェロの音聴くと、あまりの落差に思わず笑ってしまいますけど。

なお曲目は以下の通りです。

 1.マーラー/交響曲第5番・第4楽章「アダージェット」
 2.パッヘルベル/カノン
 3.マスネ/タイスの瞑想曲
 4.ブラームス/交響曲第3番・第2楽章
 5.ヴィヴァルディ/シンフォニア「聖なる墓に」第1楽章
 6.グリーグ/ペール・ギュント組曲より「オーゼの死」
 7.モーツァルト/ディヴェルティメント K.334 第4楽章
 8.アルビノーニ/アダージョ
 9.ベートーヴェン/交響曲第7番・第2楽章
 10.バッハ/管弦楽組曲第3番より「エア」
 11.シベリウス/悲しきワルツ

 アルビノーニのアダージョ
 

(2015.03.03.)


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