ジャック・ドゥミ/シェルブールの雨傘(1964)
Les Parapluies de Cherbourg
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関東地方は水不足と報道されていますが、
私の住む四国ではこのところスコールがよく降ります。
晴れた暑い日だなあと思っていたら、突然暗い雲が広がって、
シャワーのような大粒の雨がザーッ、雷もゴロゴロ。
でも20〜30分で止んでしまいます。
なんだか熱帯雨林のような気候です。
四国は熱帯になりつつあるのでしょうか。
窓から見える山には、今はスギやヒノキが植わっていますが、
そのうちパパイヤやマンゴーやパイナップルがニョキニョキ生え出すのかもしれません。
・・・楽しみですねえ(←阿呆)。
いずれにしても、外出には雨傘が手放せないのであります。
さて、「雨傘」といえば思い出すのが、映画「シェルブールの雨傘」(1964)。
映画オリジナルのミュージカルで、セリフはすべて歌で歌われます。
「ガソリンはスーパー? それともレギュラー?」なんてセリフが朗々と歌われますが、笑っちゃいけません。
しかもダンス・シーンは皆無、ミュージカルとしては奇妙というか掟破りの代物です。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」も、セリフはすべて歌ですが、あれは舞台ミュージカルの映画化だし、ダンスシーンもたっぷり。
考えてみると「シェルブールの雨傘」、じつに特異な映画といえます。
とはいえ要はオペラみたいなもの、クラシック音楽聴きにはそれほど違和感なく鑑賞できます。
シェルブールの雨傘より
ただし前半のギイとジェヌヴィエーヴのアツアツ・ラヴラヴぶりが、こっ恥ずかしくて観ていられんとか、
ジェヌヴィエーヴの心変わりの唐突さとか、ラストで再会した二人の淡白な態度とか、引っかかるといえば引っかかってました。
しかし今回観かえしてみて、ジェヌヴィエーヴが17歳という設定だったことを知り、
「やっぱり不安だよなぁ・・・」と、カサールになびいたことにも納得。
ラスト・シーンは、ともに守るべき家族を持つ大人の態度。
哀しくも美しく、味わいがあるラストだなあと、さらに深く納得いたしました。
恋が失われても人生は続く、誰もがロミオとジュリエットのように死んでしまうわけではなく、明日を生きていかなくてはならないのです。
ラスト・シーン
単なる恋愛ミュージカル映画と思っていたのですが、意外と深い内容。
ある程度年を食ってから観たほうが、きちんと理解できるかもしれません。
ミシェル・ルグランの流麗なメロディ、ダニエル・リカーリ(吹き替え)の天使のような透明な歌声、
当時20歳のカトリーヌ・ドヌーヴの輝くばかりの美しさ、
そして画面を彩るまばゆいばかりの色彩の乱舞は、ジャック・ドゥミ監督の面目躍如。
折にふれて観かえしたい映画がまた増えてしまいました。
(2012.9.15.)
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