ジョー・サンプル/カーメル(渚にて) (1979)
Amazon.co.jp : Carmel
Tower@jp : カーメル(渚にて)
フュージョン・ミュージックって言葉、もう死語なんでしょうか。
70年代にはクルセイダーズをはじめ、グローヴァー・ワシントン・Jr.、スパイロ・ジャイラなど、
いろんなミュージシャンが数多くのフュージョン・アルバムを送り出しました。
いまでも立派に鑑賞に堪える名盤アマタある中で、とくにお気に入りなのが、これ。
クルセイダーズのキーボード奏者・ジョー・サンプルのソロ第2作である「カーメル」(1979)です。
「カーメル」というのは、サン・フランシスコから南に200kmほど下ったところにある美しい海岸街。
おとなりはジャズ・フェスティバルで有名なモンタレー市。
これは、サンプルがこの街に滞在したおり、美しい風景にインスパイアされて作曲した、組曲風の一枚。
編成はピアノ、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション。 アコースティックでシンプルなサウンドです。
ジョー・サンプルのリズミカルで軽やかなピアノは、ジャズ・テイストにも不足せず、聴き応え充分。
どの曲でもピアノが最前線に出て、あるときは力強く、あるときは叙情的に歌ってゆきます。
1曲だけヒューバート・ロウズのフルートがフューチャーされるものの、
基本的にジョー・サンプルの「ワンマン・ピアノ・アルバム」として作られ、見事に成功しています。
ギターには、ワン・フレーズたりともソロを弾かせていないくらいですから、徹底してますね。
ギタリストさんは、さぞや欲求が不満したのではないかとヒトゴトながら心配になりますが・・・。
Carmel
全部で7曲からなりますが、曲の流れも良く考えられています。
華やかで力強い1曲目「Carmel」の次は、静かでスローな「Paintings」、3曲目は軽快な「Cannery Row」。
つまり、アレグロ〜緩徐楽章〜スケルツォ、の流れになっていて、クラシック聴きは思わずにやりとすることでしょう。
Paintings (みずみずしい叙情が魅力的なスロー・ナンバー)
個人的にベスト・トラックだと思うのが5曲目のリズミックなアップテンポ・ナンバー「Sunrise」。
サンプルはピアノをずっと弾きっ放しですが、そのプレイはイマジネーション豊かで変幻自在、素晴らしいフレーズの連続で大興奮しちゃいます。
Sunrise
海辺のドライヴのお伴に最適な一枚。 おすすめします。
(03.6.13.記)
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