Joe Sample&David T. Walker/Swing Street Cafe(1982)



Amazon : Swing Street Cafe


ジョー・サンプル(Joe Sample, 1939〜2014)のアルバムで一番好きなのは、「カーメル」(1979)ですが、
二番目に好きなのがこれ。

 Joe Sample&David T. Walker/Swing Street Cafe(1982)

クルセイダーズのサポート・ギタリストをたびたび務めていたデイヴィッド・T・ウォーカーと組んだブルース・セッション・アルバムです。
録音に要した日数はわずか二日。
おそらく細かいことはあまり決めず、

 「こんどセッションでもやる?」

 「いいねえ、やろ」

くらいのノリで仲間を集め、お遊び感覚で一発録りしたのではないかと。
曲は往年のブルースの名曲ばかり(私はほとんど知らないけど)。

 

リラックスした、楽しそうな雰囲気がとっても良い感じ。
鼻歌まじりみたいなゆる〜い演奏ですが、息はぴったり、どこにも隙がない。
阿吽の呼吸、達人の至芸であります。
聞き流してもよし、じっくり噛んで含んでうまさを味わうもよし、じつにフトコロ深いです。

 

人懐っこい表情、成熟した表現、シンプルに「肉体が心地良い」音楽ですが、
決してそれだけで終わっていないというか、どこか凛とした格調を保っています。
二人の掛け合いも「丁々発止」というより「安心尊敬」、互いの間合いを読み切った親密なインタープレイを展開していて、
聴いているうちに「ほっ」と気分が落ち着いてくるような。

 

こういうの聴くと、「楽器上手くなりてーなー」と思って、やみくもに練習を始めたりするんですよね(私はチェロですが)。
そして、全然思い通りに弾けないことに打ちのめされ、またしばらく触る気がしなくなってしまうのです(だめじゃん)。

ただし残念ながら2018年現在、廃盤のもようです。

なお、ギターのデイヴィッド・T・ウォーカーは日本人との共演も多く、井上陽水「二色の独楽」に参加していたり、
Dreams Come True のライヴで演奏したりしているそうです。


(2018.05.03.)

「音楽の感想小屋」へ

「更新履歴」へ

HOMEへ