D・M・ディヴァイン/兄の殺人者(1961)
(野中千恵子・訳 創元推理文庫 2010)



amazon.co.jp : 兄の殺人者 (創元推理文庫)

<ストーリー>
兄オリバーとともに弁護士事務所を経営するサイモンは、
霧の夜に兄から電話でオフィスに呼び出される。
行ってみるとそこには兄の射殺死体が!


ま、まただまされたー!


4連休、おかげさまでのんびりさせてもらいました。
11月21日(日)には女房と、西本智美指揮、ラトヴィア国立交響楽団の演奏会に行きました。
ミッシャ・マイスキードヴォコンを弾きましたが、
髪の毛が真っ白になっていたのに、ちょっとびっくりしました。

22日には、これまた女房とカフェに出かけました。
生まれて初めて、ラテアートというのを見ました。
コーヒーの上にミルクで絵を描いてくれるあれです。
白鳥の絵が描かれたカプチーノを飲みました。
大変面白く興味深いアートですが、私のようなオッサンはどうも落ち着きません、なんか恥ずかしい。
飲みながら思わず知らず小指が立ってたりして(ゾゾッ)。
11月22日が「いい夫婦の日」だったことを、後から思い出しました。

本もいくつか読みました。
そのひとつが「本格ミステリの魔術師」と勝手に呼ばせてもらっている、D・M・ディヴァイン「兄の殺人者」

ディヴァインは創元推理文庫から、「悪魔はすぐそこに」 「ウォリス家の殺人」 「災厄の紳士」が刊行されています。
しかし、じつはこの「兄の殺人者」デビュー作なんだそうです。
アガサ・クリスティ「最後の最後まで楽しんで読めた」と称賛した作品です。

かくいう私、これまでディヴァイン読んで犯人が当たったためしがありません
かすったことすらありません。
それどころか毎回、意外な犯人に唖然呆然、
見事に背負い投げを決められ、仰向けで天井見上げてパチクリ気分。

しかし、もう4作目であります。

 「今度こそ当てちゃるぜよ! 見ていろディヴァイン!」

と、意気込んで読み始めました。

 ・・・・・・・しかし・・・・・・・


 ま、まただまされたー!!


うー、またもや背負い投げくらいました。
犯人の意外さはこれまで以上。
やられました、完敗です。
素直で純真な私を、こんなに何度もだますなんて、ヒドイ人だわ。

いままでの作品と比べると、読後感が良かったのもポイント。
ディヴァインの登場人物は、みんな一癖も二癖もあって、
あまり好きになれないことが多かったのですが、
この作品は「普通の人」もたくさん出てくるし、人物造型も丁寧かつ自然、
人間ドラマとしても読みごたえがあります
(それだけに犯人が明らかになったときの驚きも大きかった・・・)。

きわめて端正な本格ミステリであり、
最高にハイレベルなフーダニットでした。
気持ちよく騙される快感を、存分に味わいました。
もう脱帽であります。
いままでのディヴァイン作品のなかで、一番面白かった気さえします。

 ディヴァイン、最初に読むならこれがおすすめかも。

「フーダニットの匠」ディヴァイン、こうなったらどこまでもついてゆきます!
さてさて、つぎはどんなふうに騙してくれるかな?

(10.11.24.)



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