ブリクシ/オルガン協奏曲全集(2枚組)
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みなさまこんにちは。
先日、ラインベルガーのオルガン協奏曲を取り上げた際、
「オルガン協奏曲ってあんまりないなあー」と言っていたら、
ある方にブリクシのオルガン協奏曲を教えてもらいました。
「ブリクシ? 知らんなあー、ドリプシなら知ってるけど」と思いましたね。
ちなみに、ドリプシは毎日牛乳が作っている乳酸菌飲料です(ヤクルトみたいなの。いまでもあるらしい)。
子供「ママぁ、ドリプシってなんのことォ?」
母親「あのね、それはね、ロシアにある村の名前なの。
その村の人たちはね、毎日乳酸菌を飲んでいるから、とても長生きなのよ。」
子供「そーか、それでウチのおじいちゃんいつも元気なんだね(じいちゃん、笑う)、ママは肌がキレイだし。」
母親「まァ、この子ったら。おっほっほっほ。」
コーラス「まいにち、まいにっち、ドリプシ〜♪」
なんてコマーシャルがありました(大昔の話です)。
フランティシェク・クサヴェル・ブリクシ(1732〜1771)は、ボヘミアの作曲家。
ヨーゼフ・ハイドンと同い年ですね。
あのベンダ・ファミリーの親戚筋に当たるそうです。
当時のプラハ音楽界で最高の地位である聖ヴィトゥス大聖堂の教会楽長に、
わずか27歳で就任したほどの実力の持ち主でしたが、残念ながら40歳で亡くなってしまいます。
ドリプシ飲んで長生きしてほしかった。
彼のオルガン協奏曲は全部で8曲。 1760〜70年ごろの作品だそうです。
1曲15分程度の、さわやかな曲ぞろい。
新鮮な旋律、活き活きしたリズム、躍動感ある低音部、
中期のハイドンや若い頃のモーツァルトと比べてもひけをとりません。
ただ難を言えば、明るく優雅な曲想ですが、やや軽いかな。
オルガンである必然性があまり感じられないですね。
チェンバロやピアノフォルテで演奏しても(ペダル・パートは別にして)違和感なく聴けてしまいそう。
個人的には
「ここにおられるお方とをどなたと心得る、あのやかましくも世界最大の楽器パイプ・オルガンさまにあらせられるぞ!」
「ははーっ!」
♪たらり〜、だららららっらー、ぎゅゎわぁぁああああん!
みたいなのを期待していたので(どんなんや)、ちょっとはぐらかされた感じ。
でも、パイプ・オルガンと管弦楽という編成にもかかわらず、
重苦しくも暑苦しくもないのは、ある意味すごいことかもしれません。
全曲
(08.6.7.)