ベンダ・ファミリーの協奏曲集
(クリスチャン・ベンダ指揮 スーク室内管弦楽団)

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ぶえっくしょーい!

この2〜3日、くしゃみがとまりません。
花粉症かと思っていたのですが、昨夜からのども痛くなってきて、どうやら風邪のようです。
風邪薬ないかなあ・・・ルルはないか、ベンザはないか? パブロンでもいいよん。

おお、ベンザはないけど、ベンダのCDがあった。 聴いてみよう。 なんというムリムリな展開だ。

でもベンダってナンダ? とおっしゃるかたが大多数でしょう。
ベンダは18世紀ボヘミアで活躍した作曲家一族。 
子孫も多くが音楽を生業とし、現在もチェコの音楽界で勢力を保っているそうです。
ドイツにはバッハ一族、フランスにはクープラン一族、イタリアにはスカルラッティ親子、そしてアメリカにはジャクソン・ファミリーがあるように、
ボヘミアにはベンダ一族があるというわけです。

さて、東川清一「音楽家の自叙伝」(春秋社 2003年)という本には、ベンダ一族の総帥・フランツ・ベンダ(1709〜1786)の自叙伝が収録されています。
これがもうびっくりするような成り上がりストーリー、永ちゃんも真っ青。
亜麻布職人兼アマチュア・オーボエ吹きの息子に生まれたフランツ・ベンダ、親父と一緒に居酒屋でヴァイオリンを演奏したりしていましたが、
9歳でプラハ修道院のボーイ・ソプラノに採用され、めきめきと音楽の才能を発揮、ドレスデン・カトリック教会からヘッドハンティングされるまでになります。
ところがプラハ修道院は彼を手放そうとしないため、フランツは修道院を脱走してドレスデンへ。
さらに某伯爵に気に入られともにヴィーンへ向かいますが、下僕の仕事をさせられるのが嫌でまた脱走
追っ手をかわしながらはるかワルシャワまで足を伸ばし、まんまと王室楽団にもぐりこみます。

その後も良さそうな仕事や地位があれば、迷わず転職、1771年からはプロイセンのフリードリヒ大王に仕え、最後には王室楽団のコンサートマスターに。
さらに、弟や子供たちを、各地の宮廷楽団に送り込み、「ベンダ・ファミリー」として音楽界に勢力を築きます。
音楽的才能はもちろんでしょうが、なんという変わり身の早さ、世渡りのうまさ。
きっと、どんな仕事をしても成功したことでしょう。

なおベンダの自叙伝、ストーリーは波乱に富んでいますが、そっけない書き方と直訳調の翻訳のため、
読み物としてはそれほど面白くありません、念のため。

そのフランツ・ベンダ、弟のヨハン・ゲオルク・ベンダ(1713〜1752)、ゲオルク・アントン・ベンダ(1722〜1795)の
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための協奏作品を収録したのがこの2枚。
様式的にはバロックと古典派の中間ですが、素直で伸びやかな好感度高い曲ぞろい。
ハイドンや初期のモーツァルトと比べても遜色ありません。
なかでもフランツ・ベンダヴァイオリン協奏曲変ホ長調の第2楽章で、切々と歌われる嘆きの歌はすばらしいです。

アントン・ベンダのヴィオラ協奏曲では、ヨゼフ・スークがソロをとりますが、ほかの曲はすべてベンダ・ファミリーが独奏をつとめます。
カデンツァの作曲もベンダ・ファミリー、指揮者もベンダ・ファミリー、ことによるとオケも全員・・・?(さすがにそれはないか)
家内制手工業のようなCDですが、かなり聴きごたえあります。

それにしても・・・ぶえっくしょーい!
ベンダ聴いても、風邪は治らないな・・・(←当たり前じゃ!)

 フランツ・ベンダ/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
 

(08.3.7.)


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