ルロイ・アンダーソン/ピアノ協奏曲ほか



Amazon.co.jp : Leroy Anderson: Orchestral Music, Vol. 1


みなさまこんにちは。
さて本日は誰に頼まれたわけでもないのですが、唐突にピアノ協奏曲をその「重量」でランク分けしてみたいと思います。
演奏時間、演奏の難易度、曲のイメージ、J-WAVE全番組でのオンエア、都内主要CDショップのセールスをポイント計算、
と言うのは嘘で、私が勝手に決めました。

まず、スーパーヘヴィー級ブゾーニのピアノ協奏曲。 これは文句ないところ。
70分を超える演奏時間、男声合唱まで動員する大編成、そこまでやらいでもと言いたくなる、超大袈裟な曲、いったい何を考えて作曲したのでしょう。 
うーむ、重いっ!あんたがイチバン!
 
 第5楽章(終楽章 2分30秒から合唱が入ってきます)
 

レーガーのピアノ協奏曲へ短調作品114も、演奏時間は40分そこそこですが、
おどろおどろしい開始、厚ぼったい管弦楽、ことさらに大仰なピアノソロ、やはりスーパーへヴィー級ですね。
でも第2楽章はラフマニノフ風にロマンティックでなかなか綺麗。
ほとんど知られていない曲ですが、分厚くて重たいものが好きでたまらん人はためしにどうぞ。 いるのかそんな人。
いや意外と聴けますよホント。

 第3楽章(終楽章)
 

ブラームスの2曲、チャイコフスキー1番、ラフマニノフ3番、ベートーヴェン「皇帝」などはヘヴィー級
ラフマニノフ2番、ベートーヴェン3番&4番ライトヘヴィー級でしょうか。
ショパンの2曲、シューマン、グリーグガーシュインなどはミドル級かな、ぐっと親しみやすい感じです。

いっぽう、軽いほうで最右翼に位置しそうなのが、ルロイ・アンダーソンのピアノ協奏曲です。

演奏時間20分の堂々たる協奏曲ですが、全体に漂う「軽さ」のせいで12〜3分にしか感じません。
スペクタクル映画のサウンドトラックみたいに始まりますが、次第に間違えようのないルロイ節に。
一聴すればすぐに、「シンコペーテッド・クロック」「タイプライター」「そりすべり」の人だとわかる、まぎれもない個性が刻印されているのはホントに見事。
キャッチーなメロディ、軽やかに舞うピアノ、美しく巧みなオーケストレーション、聴く者を一瞬たりとも退屈させない職人芸。
軽くて能天気なだけではございません。 一度は聴いておきたい曲です。

 第1楽章
 

じつはルロイ・アンダーソン、今年2008年が生誕100年
オリヴィエ・メシアンと同い年というのがなんとなく可笑しいです。

さて、さらに軽い協奏曲となりますと、
オネゲルのピアノ小協奏曲(演奏時間10分)、フランセのピアノ小協奏曲(8分ちょっと)、なんてのもございます。
カップラーメン作って食べ終わる間に聴けてしまうピアノ協奏曲、なかなか乙なものです。

 オネゲル/ピアノ協奏曲
 

 フランセ/ピアノ小協奏曲
 

(08.1.29.)

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