ソフィア・コッポラ/ロスト・イン・トランスレーション
Sofia Coppola/Lost in Translation

(2003)



Amazon.co.jp : ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

Tower@jp : ロスト・イン・トランスレーション

サントリー・ウィスキーのCM撮影のため単身来日した中年ハリウッド・スター、ボブ。
妻から逃れる口実と200万ドルのギャラのため、なんとなく仕事を引き受けて東京へやってきた。
しかし言葉が通じないなか次第に強まる疎外感と孤独。
同じホテルにはアメリカ人写真家の若妻シャーロットが滞在中。
夫は仕事に明け暮れるばかり、彼女は部屋でひとりぽつねんとしていた。
心に空洞を抱えた二人が、同じホテルで偶然出会う。
急速にうちとけたボブとシャーロットは、目も眩むようなトーキョーのネオンと雑踏の中に繰り出していく・・・。


次女が大学進学で家を出てしまい、リビングがただっ広く感じられる今日このごろ。
狭い狭いと思っていましたが、ニョウボとふたりだとガラーンとします。

買ったまま観ていなかったDVDを、少しずつ消化してます。
ネットなどで評判を見て「良さそう!」と思い、とりあえず買ったDVDが、我が家にはたくさん。
でも娘がいるときは、「見たい番組があるから止めて」とか「録画予約するから止めて」とか言われ、落ち着いて観られなかったのです。
なのでほとんど死蔵状態、「DVDの墓場」と呼びたくなるほどでしたが、ついに、ついに日の目を見るときがやってきたようです!
おまけに今日はニョウボも用事で出かけて明日まで帰らないのでちょうどいい。

ずっと観たかった「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)を観ました。

 Lost in Translation Fan Trailer
 

CM撮影のため来日した中年ハリウッド・スター(ビル・マーレイ)と、夫の仕事についてきた若いアメリカ人女性(スカーレット・ヨハンソン)が、日本という不思議の国で心を通わせるお話。
TV番組「YOUは何しに日本へ!?」のようなノリかと思ったら全然違いました。
主人公ふたりは言葉の通じない異国で孤独と暇を持て余し、「日本おもしろいけど、早く帰りたいなあ〜」と思ってます。
ふとしたことから知り合った二人は、一緒にスシを食べたりしゃぶしゃぶを食べたりカラオケに行ったりと東京を満喫します。
しかし大事件が起こるわけではなく、最後まで恋愛(不倫)には発展しません。
そういうところがむしろさわやかで気に入りました。
お洒落な映像、センスの良い音楽、そして若きスカーレット・ヨハンソンの清楚な魅力。
ヨーロッパ映画的・日本映画的な繊細な表現が目立ち、アメリカ映画っぽくないところも好みです。
もっともビル・マーレイがカラオケでロキシー・ミュージック「アヴァロン」"More Than This"を歌うシーンでは思わずのけぞりましたが。

ところで、私は香川県のド田舎で暮らしているので、たまに東京に行ったりすると、異国に来たようなカルチャー・ショックを覚えます。
おまけに近頃の都会は外国語が普通に飛び交ってますから、ますます異国情緒。

 疲れます。

なので帰ってきて、信号機よりもたくさんのうどん屋がある光景や、お遍路さんがぞろぞろ歩いている様子を見ると
「うーん、やっぱり母国はいいなあ」
と思うのであります (え、そっちのほうがよっぽど異国だって?)。

(2014.4.15.)



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