サラ・マクラクラン/タッチ
Sarah McLachlan / Touch
(1989)



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ガラッ八:親分こんちはー。 お、なにやらオシャレな音楽を聴いてますね今日は。

親分:うむ、 カナダのアーティスト、サラ・マクラクランのファースト・アルバムだ。

八:サラ? サラ・マワしまくらん?

親:いや皿は回さんでもいいんだ、サラ・マクラクランだ。

八:サラ? サラ枕?楽ランラン??

親:いや新品の枕もいらねえ 、サラ・マクラクランだ。 早口言葉みたいで言いにくいか。

八:そうなんですよー。「ヒマラヤで平山綾に平謝り」だったらすぐに言えるんですが。

親:そのほうがよほど言いにくいわい!! 

八:で、なんていうアルバムなんで?

親:タイトルは「タッチ」、1989年のアルバムでサラは当時20歳だった。

八:達也に和也に南ちゃんが出てくるあれですねー、と定番のボケをかますと思ったら大間違いでやんすよ!

親:なにを威張ってやがる。
 澄んだ歌声、叙情的なメロディ、幻想的なサウンド、一発でファンになってしまったよ俺は。

八:なかなかファンタジックで魅力的でやんすねえ。

親:トラック1"Out of Shadows"の、ほの暗く神秘的な開始から、すっかり引き込まれる。
 トラック2”VOX"は、このアルバムで最もヒットした有名曲だ。
 もちろん他にも良い曲がたくさん。

 Sarah McLachlan : VOX
 

八:カドのとれたケイト・ブッシュというか、ポップになったエンヤというか・・・ちょっとそういう感じですね。

親:ただしその後サラは幻想的な方向には進まず、アコースティックで内省的な音楽世界を作り上げていくんだな。
 社会問題、政治問題も取り上げるようになり、
 かつてのキャロル・キングジョニ・ミッチェルに肩を並べるほどの、北米女流シンガーソングライターの大御所的存在に。

八:ええ、そんなにビッグになっちゃってるんですか?

親:日本では知名度はイマイチだが、英語圏での人気はすごいぞ。
 少女時代からピアノ、ギター、声楽の訓練を受け、作詞作曲も自分でこなすマルチ・タレント。
 おまけに絵も上手いそうだ。
 さらに1998年には「リリス・フェア」という、女性アーティストのフェスティヴァルを立案・企画し成功させている。
 リーダーシップも抜群ってわけだ。

八:完全無欠のスーパーウーマンですねえ。 

親:さらにスーパーなエピソードをあげるならば、 2003年、アフガン紛争に触発されて書いた曲
 "World on Fire"(アルバム"アフターグロウ"収録)のプロモーション・ヴィデオ製作に15万ドルかける予定だと聞かされたサラ、
 そんなの止めちゃえと家でホームヴィデオで撮影し(製作費15ドル)、 余った15万ドルすべてをエチオピアやアフガニスタンやバングラディシュやネパールに寄付してしまった。

  World on Fire
 


八:ふが、ふが、ふが〜

親:おいおい、ど、どうしたい、大丈夫か八!

八:いやー、あまりの人格者ぶりに開いた口がふさがらないと思ったらアゴが外れていましたよ。
 菩薩さま生き仏みたいなお方でいらっしゃるんですねえ、サラさんは。

親:そんなふうにすっかり偉くなってしまったサラだが、
 このファースト・アルバムの初々しさというか、未完成な魅力はやはり独特。 これはこれでいいもんだ。

八:音楽的にも人間的にも素晴らしい人ですね。
 でも完璧すぎて近寄りがたいでやんす。
 やっぱり人間、ちょっとは抜けたところがないと。
 そこへいくと親分は、たっぷり抜けてていいですなあ。

親:どういう意味だよ!

(07.6.23.)



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