モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」、第36番「リンツ」、第38番「プラハ」
オトマール・スウィトナー指揮/ドレスデン・シュターツカペレ
(1968&74録音)







名指揮者 オトマール・スウィトナー氏が亡くなられたそうです。享年87歳。
残念ながら、生演奏に接する機会はありませんでしたが、録音ではいろいろ楽しませていただきました。

なかでもベートーヴェンの交響曲全集は、スウィトナー/ドレスデンが最高だぜっ!

といまも思っております。


ただし私が、スウィトナーといえば一番に思い浮かべるのは
モーツァルト「ハフナー」「リンツ」「プラハ」を一枚に収録したこのディスク。
今はオッサンの私がまだいたいけな少年だったころ、エンジェルの子分レーベル・セラフィムからLPとして出たものです。
モーツァルトの交響曲を3曲も詰め込んだ、精一杯長時間収録のLPで、しかも1000円の廉価盤。
当時としては最高のコスト・パフォーマンスでした。

はっきり言えば安さにつられて買ったのですが、最初の「ハフナー」の、超快速で爽快な演奏に、「こ、これは凄い! カッコイイ!」と、興奮しちゃったのです。

 第1楽章
 

先日、カザルスのモーツァルト「野武士系」などど表現しました(←褒めてるつもり)。
ならばスウィトナーのモーツァルトは、細身のスーツをシュッと着こなした青年紳士
ドレスデン・シュターツカペレのハイレベルな演奏技術もあり、最高にスマートでスタイリッシュなモーツァルトとなっております。

「リンツ」は、流線型のスポーツカーがなめらかに走っているかのようなイメージ。
しなやかに、軽やかに、色気もふくんだ、実に姿の良いモーツァルト。

 第4楽章
 

「プラハ」は、ドン・ジョヴァンニ風の序奏部は必要以上に重くならず、主部に入ってからは、活き活き・きびきびとした、生命力に満ち溢れた演奏。
思わず体が動いてしまいます。 というか踊りだしそうになります。

これらで刷り込まれちゃうと、他の演奏がどこか鈍重でわざとらしく聴こえてしまうという、ある意味困った演奏でもあり、リハビリにしばらくかかりました。
それほど問答無用的に素晴らしいのですっ! これぞ音楽! これぞモーツァルト!

なお、このディスクも含む、お買い得10枚組みボックス・セットもあります。
持ってますが、例によってまだ全部は聴けてません・・・。

(10.1.19.)



スウィトナー&ドレスデン・シュターツカペレ・BOX SET


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