グラズノフ&ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲
(シルヴィア・マルコヴィチ独奏 ミルツィア・クリテスク指揮 ジョルジュ・エネスコ管弦楽団 1973録音)



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グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲の超名演!


「ロシアのヴァイオリン協奏曲」と言えばまずはチャコフスキーですが、ほかにも素敵な曲があります。

たとえば

 アレクサンダー・グラズノフ(1865〜1936)のヴァイオリン協奏曲(1904)。

ワタシこの曲大好きでして、はっきり言ってチャイコフスキーより好き。
演奏時間約20分と短めですが、無駄なく引き締まった傑作です。
曲の内容については大昔にかなりしつこく書いておりますのでよろしければ読んでやってください → ココです

チャイコフスキーの十分の一も弾かれないし聴かれない、不憫な曲でございます。
ハープが必要なことがハードルを上げているのかな。
それでもYou Tubeにはいくつか動画上がっておりまして、お気に入りはシルヴィア・マルコヴィチ(1959〜)独奏、レオポルド・ストコフスキー指揮の1972年ライブ。
    ↓


なんといっても美人です!(そこかい)
もちろん曲も演奏も良いです!

この動画の翌年、1973年にシルヴィア・マルコヴィチが録音したのがこのCD。
マルコヴィチは1971年のロンドン・デビューでもグラズノフヴァイオリン協奏曲を弾いているので、よっぽど好きなんでしょうね。
ソロを強調した録音であり、マルコヴィチのしなやかでこまやかな表現をたっぷり聴き取ることができます。
曲を手の内に入れた余裕のある演奏はしなやかで躍動的。
しかし弾き崩したり奇をてらうことはなく、若いヴァイオリニストらしく折り目正しいまっすぐな抒情が気持ち良いです。
音には色気と艶があり、ラプソディックでロマンティック、なまめかしくもあとを引く余韻を残します。
またこの曲はヴァイオリン協奏曲には珍しくハープが大活躍するのですが、このCDはハープの音を大きめにミキシングしてヴァイオリンとの美しい絡みをたっぷり聴かせてくれます。

 こりゃ超名演じゃありませんか!
 私にとってグラズノフの協奏曲の決定盤になりました。


併録のブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番も堂々たる名演奏。
やはり独奏をどーんと前面に出したミキシングで、マルコヴィチの熱っぽいヴァイオリンが手に取るように聴こえます。
メロディをいつくしむようにたっぷりと歌いこみながらも粘っこくならないセンスの良さ。
みずみずしいと同時に臈たけたと言いたいほどの気品と洗練が感じられます。

 これまた素晴らしい名演奏でした。

ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番・第1楽章 (1990年 ライブ)



(2020.05.31.)

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