最相葉月/あのころの未来 星新一の預言
(新潮社 2003年)



Amazon.co.jp : あのころの未来―星新一の預言

私は星新一(1926〜1997)のショートショートの大ファンでした。
「エヌ氏の遊園地」「にぎやかな未来」「気まぐれロボット」・・・
小遣いで一冊一冊、文庫本を買っては、繰り返し読んだものです。
最相葉月さんもどうやら、もと星新一フリークだったもよう。
ついでに、25年も読み返していなかったというのも、私と同じだあ!(自慢になるかっ)

最相さんの本と言えば、「絶対音感」(1998)は、とても面白く読んだのですが、
次の「青いバラ」(2001)は、5分の1ほどで撃沈、現在まで1勝1敗(?)なのです。
この本が3冊目。 おおお、ついに決着の日が・・・(何の?)。

さて、「あのころの未来」は、科学エッセイ集です。
さらにエッセイの内容に関連した、星新一のショートショートが紹介されていて、
星新一ファンには2倍も3倍も楽しめる内容です。
星新一をまだ読んだことがない方も、読みたくてたまらなくなることは請け合い。
かく言うわたしも現在、「読みたいぞお〜」と、悶々としています。明日は本屋行こう。

星新一は「固有名詞を使わない、性描写は避ける、時代の風俗を描かない。」
ことをモットーとしていたために、その作品には普遍性があり、いつまでも古びません。
今読んでも、いや今だからこそ、かえって面白かったり胸を突かれることがあります。

それにしても、星新一の未来を見通す目はなんと確かだったことか。
光ファイバーが張り巡らされたブロードバンド時代を思わせる作品。
監視カメラがあちこちに設置された相互監視社会の安心感と思わぬ落とし穴。
臓器移植やクローンをめぐるさまざまな問題など。

・・・なんか星新一のことばかり書いてますが、そうそう、これは最相葉月さんのエッセイでした。
最相さん、現代の社会・科学・医療の最前線や問題点を、さくっと切り出して見せてくれます。
一編一編が短いので、掘り下げ的には物足りませんが、かえって読みやすく・わかりやすくなっております。
時代を取り巻く諸問題のショーケースとしての、肩のこらない読み物といえましょう。
興味ある事柄については、各自インターネットなどを駆使して調べてください、ということかな。

うう〜、それにしても、星新一が読みたい!!
(03.7.19.記)



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