ジェニファー・ウォーンズ/Famous Blue Raincoat
(The songs of Leonard Cohen)
(1987)


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HMV : Famous Blue Raincoat icon


アメリカの実力派シンガー、ジェニファー・ウォーンズが、カナダの詩人&シンガー・ソングライター、レナード・コーエンの曲を歌ったアルバム。
名曲、名唱、名アレンジ、きわめて格調の高い一枚となっとります。 
いわば大人のためのポップス。

トラック1「First We Take Manhattan」の引き締まった音、Stevie Ray Vaughan のギターが泣かせます。

 「私たちはまずマンハッタンを征服する。 そして次にベルリンを・・・」 

物語性のある謎めいた歌詞に魅了。

 First We Take Manhattan
 

別れた夫(恋人?)への手紙の形式をとった「素敵な青いレインコート」

  Famous Blue Raincoat
 

 今は午前4時 12月の終わり
 あなたが元気になったか知りたくてこれを書いている
 ニューヨークは寒い、でも私はここが好き
 クリントン・ストリートには夜通し音楽が流れている

 あなたが砂漠の奥地に家を建てていると聞いた
 いまあなたは無の中に生きているの?
 なにがしかの記録をつけていてくれればと思う

 ジェーンはあなたの髪を一束持って帰ってきた
 あなたに貰ったって言ってた
 あなたがすべてを清算したあの夜に
 清算できたの?

 最後に見かけたとき あなたはずいぶん老け込んで見えた
 素敵な青いレインコートは肩が破けていた
 駅にいて 着く電車をすべて出迎えたけれど
 リリー・マルレーンは現れず ひとり家路についた

 そしてあなたはどこかの女に人生のかけらを与えた
 戻ってきたとき 彼女は誰の妻でもなくなっていた

 口に薔薇をくわえたあなたが目に浮かぶ
 痩せこけたジプシーの盗人のよう
 あら ジェーンが目を覚ましたわ
 あなたによろしくと言っている

 何て言えばいいんだろう 何が言えるんだろう
 あなたがいなくて寂しいと思う 許しているのだと思う
 私の人生に立ちはだかってくれたことを嬉しく思っている

 もしこちらに戻ってくることがあれば
 逢いにきて 私にでも ジェーンにでも
 あなたの敵は眠りについているわ
 あなたの女はまだフリーよ

 彼女の瞳から苦しみを拭い去ってくれてありがとう
 永遠に続くと思っていた 私にはできないと思っていた

 ジェーンはあなたの髪を一束持って帰ってきた
 あなたに貰ったって言ってた
 あなたがすべてを清算したあの夜に

  親愛なる               友より



ほかには、ジャンヌ・ダルクと、彼女を焼き尽くす炎との官能的な会話が劇的に盛り上がる
「Joan Of Arc」
「歌手はその声に秘められた嘘ゆえに死ぬべし」とシニカルに宣告する
「A Singer Must Die」など、どれもいいなあ。
通して聴くと良質の短編集を読み終えたような満足感をおぼえます。

このCDを長く愛聴している私でありながら、いまだにレナード・コーエン自身の歌を聴いたことがないのはいかがなものか、という気もしないでもないですが・・・。 

 ま、いいか。

「Song of Bernadette」という曲が、TVドラマに使用されたことで、日本盤はそちらがタイトルになっています。

 

(06.2.19.)

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