サンディ・デニー/オールド・ファッションド・ワルツ(1973)
Sandy Denny/Like an Old Fashioned Waltz



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お盆が終わると夏も終わり・・・という雰囲気が、かつては確かにあったように思うのですが、
最近は八月後半になっても夏真っ盛りの年が多いような。
と思ったら、今年は台風が次から次へとやってきたうえ、お盆明けの来週も雨続きだそうな。
梅雨よりも八月のほうが、明らかに雨が多いです。

私の住む香川県は今年も例のごとく、梅雨にはさっぱり降らず、取水制限が行われていました。
ところが梅雨が明けた途端、台風来襲、水不足はあっさり解消。
これでは梅雨の立場がありません。

 「いやー、梅雨選手、結局今回も仕事をさせてもらえませんでしたねー」

実況するアナウンサー、画面はベンチで肩を落とす梅雨選手のアップ。
まあ、水不足解消を通り越して、あちこちで水害を起こしている台風選手も大困りものですが。


さて、夏の終わりに聴きたくなるアルバムといえば

 サンディ・デニー/Like an Old Fashioned Waltz(1973)

フェアポート・コンヴェンションのヴォーカリストとして高い人気を誇り、
「フォーク・シンガーの理想像」「英国のマザー・ヴォイス」と呼ばれたシンガー・ソングライター。
彼女がフェアポート・コンヴェンションに在籍したのは、1968年5月から69年11月までのわずか1年半ですが、
その間に発表された3枚のアルバムはすべてグループを代表する名盤となりました。

サンディの声は柔かくウエットなハスキー・ヴォイス、暖かく心地よく、やさしく包んでくれるようです。
彼女が残した4枚のソロ・アルバムのうち、この"Like an Old Fashioned Waltz"は第3作。

 Like an Old Fashioned Waltz
 

アルバム全体がセピア色のヴェールに包まれているよう。
ノスタルジックで滋味あふれる、柔軟でおおらかな歌唱に引き込まれます。
随所で聴かれるジャズっぽいアレンジ、エレクトリック・ピアノやストリングスを使ったサウンドは、
トラディショナル・バンドであるフェアポート・コンヴェンションではできなかったこと。
ペンタングルのベーシスト、ダニー・トンプソンの参加が、低音部を引き締めています。

トレヴァー・ルーカスと結婚したばかりで公私ともに充実していた時期の作品ですが、アルバムのコンセプトは「孤独」
とはいえ後ろ向きではなく、「私はひとりになった あなたもひとり? 人生はひとり」と力強く宣言する「ソロ」に始まり、
永遠に続くひとり旅を暗示するラスト・ナンバー「ノー・エンド」まで、「孤独なれど自由に、自由なれど孤独に」を謳歌するかのようです。
グループでの活動によっぽど煮詰まっていたのかな。

 Solo
 

このあとサンディは、フェアポート・コンヴェンションにいったん復帰しますが、またすぐ脱退してしまいます・

タイトル・ナンバー「ライク・アン・オールド・ファッションド・ワルツ」のシンプルな美しさには震えが来るほど。
晩夏の夕暮れのけだるさ、幸福感、一抹のさみしさをロマンティックに歌い上げて余すところがありません。

ミディアム〜スロー・ナンバー主体の、地味で渋い、大人のためのアルバム。
とはいえ当時サンディ・デニーわずか26歳、まぎれもない天才です。

1978年(31歳)、階段からの転落事故で亡くなってしまったサンディ、その死はいまも世界中で惜しまれています。

(2014.8.16.)


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