北村薫/飲めば都
(新潮社 2011年)




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<ストーリー>
日々読み、日々飲む。書に溺れ、酒に酔う。
新入社員時代の失敗、先輩方とのおつきあい・・・。
人生のたいせつなことは本とお酒に教わった。
文芸編集女子小酒井都さんの酒とゲラの日々。
本を愛して酒を飲む、タガを外して人と会う、お酒女子の恋の顛末は?


若いころは、よく酒を飲みました。
まるで仕事のように毎晩飲んでました。
「飲まないと体調が悪い」などとうそぶいたり。
・・・いったい何を考えていたのか自分でもよくわかりません。

最近はめっきり弱くなったし、健康にも多少は気を使うので、
週に3日ほど、酔いすぎない程度に飲む、
というイヤッタラシイ飲み方が身についてしまったワタクシメが、
「お酒と本が好きな人必読!」とオススメする(←説得力ないなあ)のが

 北村薫「飲めば都」

です。

主人公・小酒井都は、東京の出版社に勤める編集者。
酒好きですが、酔うと記憶が飛ぶ悪い癖の持ち主。
酒と仕事に彩られた彼女のほぼ10年間の成長(?)を、ゆるーく描いたかるーいお話です。

酒飲みなら、「あるある」というか、「これ自分もやったかも(酔ってるので覚えてない)なエピソードのオンパレード。
相当エグイ、あるいはきわどいエピソードも盛り込まれていますが、
さすが北村薫、何を書いても上品です。

「都さんの人生があまりにも順風満帆すぎ!」とか
「登場人物がみんな酒癖以外はいい人ばかり」とか
「出てくるウンチクが丸谷才一先生みたい?」とか
駄洒落がしょーもない」とか
つっこみどころは多々ありますが、それを言っちゃあいけません(←言うとるがな)。
アルコール・テイストの現代のおとぎ話として楽しく笑って読むのが吉。

さて、この本読んでたら久々に血が騒ぎまして。
思わず近所の酒屋でジントニック・ウォーターを買い、自宅でジン・トニックをぐびぐび(あ、ライム入れるの忘れた)
楽天で1年ぶりにお気に入りのバーボン(Maker's Mark)を注文し、オン・ザ・ロックでちびちび。
読みながら飲んで、いやー面白かった、美味しかった。

なんだか酒の話ばかりしておりますが、本と文学に関するウンチクもそれなりに面白かったと
とってつけたように言っておきます。

読みながら飲むとお酒が進む、危険な一冊でもあります。
くれぐれもご注意のほど・・・・・。
じつは今も飲みながら書いてます(←ほどほどにしとけよ)

(11.11.4.)

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