二ノ宮知子/のだめカンタービレ(第1巻〜第7巻 講談社)



第7巻


Amazon.co.jp : のだめカンタービレ 第1巻

<ストーリー>
 桃ケ丘音大ピアノ科3年・千秋真一は、有名ピアニストの息子で、本当は指揮者志望。
 ある日、担当教授と喧嘩して飲んだくれた真一は、隣の部屋に住む妙な女の子に介抱してもらう羽目に。
 その女の子、ピアノ科2年の野田恵・通称「のだめ」
 彼女の部屋はまるでゴミタメのよう、髪は5日に1度しか洗わず、おまけに大喰らい、
 まともなレッスンが嫌いな落ちこぼれ学生です。
 しかし彼女の奔放きわまりない演奏に、「何か」を感じた千秋。
 モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」を一緒に弾くことになります。


まだ連載中の漫画です。
なんつってもめちゃめちゃ笑えるのがとっても良いです。
クラシック音楽の漫画でこれだけ笑える作品はほかにないでしょう、たぶん。

音大の描き方などは、実情を知らないので良くわかりませんが、それなりに説得力あります。
絵は「すごくうまい」というほどでは(すみません)ないのですが、
演奏場面は迫力があって、ぐぐ〜っとひきつけられてしまいます。
そしてなんといっても主人公・のだめのキャラクター。
第1巻の32ページ、見開きで描かれる彼女の部屋は衝撃的です。
散乱するゴミの真ん中にデンと置かれたグランドピアノ、ジャージ姿に裸足で一心不乱に弾くのだめ。
変人・奇行・変態ぶりに大笑いしているうちに作者の術中にはまっています。
練習を押し付けられることは大嫌いですが、いったん本気になると、数日間不眠不休、風呂にも入らず、
ラフマニノフの協奏曲第2番をマスターしてしまうという、
底知れないところを見せてくれる、のだめです。

音楽に関する意味深い科白にも、あちこちでぶつかります。
たとえば第5巻、楽しければそれで良いと自己流で満足しているのだめに、
客員教授である指揮者シュトレーゼマンが言います。
 「のだめちゃん・・・もっと音楽に正面から向き合わないと 本当に心から音楽を楽しめまセンよ」
 「のだめ・・・楽しんでますよ? 何でそんなこと言うんですか!?」


現在第7巻まで刊行中。
千秋は優秀な音大生を集めたアマチュア・オケの指揮者として指揮台に上がり、
のだめは、幼稚園の先生になるという長年の夢と、真剣にピアノを弾くことの間で揺れています。
これからの展開がとても楽しみです。

ところで、全編にわたっていろいろなクラシック音楽が登場してくるのですが、
そこは家族からも「CDの亡者」とののしられる私のこと、ほとんどの曲は知ってます&持ってます。
しかしただ1曲だけ、第6巻に登場するジョリヴェ打楽器のための協奏曲のみ、聴いたことがありません。
音盤もなかなか見つかりません。どなたかご存知ありませんか〜?
(03.11.15.記)

追記:ジョリヴェの打楽器のための協奏曲、CDを入手いたしました。(05.6.24)


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