酒村ゆっけ、/酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
(KADOKAWA 2021)




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酒飲み大食いユーチューバーの酒村ゆっけ、さんがエッセイ集に続いて短編小説集を出版。

 酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす

絶妙に歪んだ言語感覚、ほどよい毒気を含んだストーリー、読むだけで酩酊できるフルコース。
口紅や花やクリームソーダが語り手となる作品、酒の味を知った人魚姫の悲しい運命を描いた表題作など、
感覚のひだの深いところを刺激してくる妄想のパレードを一気飲みすれば、頭の中で屈折したカタルシスが生まれます。
一風変わった語り手の眼を通して描かれる人間たちは、孤独と絶望に苛まれながらも希望に向かって手探りで生きています。

とくに印象に残ったのは牛丼が語り手をつとめる(!)「深夜のOL牛丼」
その発想にやられて近所の松屋に走っていきそうになりました。
もし行っていたら牛丼に向かって愚痴を垂れ流す痛々しい人になるところでした。

これが初めて書いた小説とは・・・この人の才能は底知れないものがありますね。
酒をなみなみとたたえた底なし沼にいろんなアヤシイものが沈んでいる様子を連想してしまいました。
それらを引き上げて、磨いて煮込んで刻んでトッピングして作品に仕上げているのかな。
お酒と食べ物が発想の源泉なのでしょうけれど、身体に気を付けてこれからも活動してほしいものです。

 (←ケンタッキーの骨でラーメンのダシをとる神回)

 (←唐揚げうまそう! ご飯の量に思わずのけぞる)


(2021.09.19.)


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