フェデリコ・モンポウ/ピアノ作品全集(1974録音)
(ピアノ:フェデリコ・モンポウ Brilliant Classics 6515 4枚組)



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Tower@jp : Mompou: Piano Works


CD1 ひそやかな音楽(全28曲)
CD2 歌と踊り ほか
CD3 前奏曲集 ショパンの主題による変奏曲 ほか
CD4 内なる印象 ほか


ひとり静かに過ごす時間に流したい音楽。
静謐で押しつけがましくなく、繊細で詩情にあふれ、乾いた哀愁を感じさせながら、内に秘めた情熱も脈々と。

 

フェデリコ・モンポウ(1893〜1987)は、主にピアノの小品を作曲したスペインの作曲家。
寡作で、80歳の年に録音された自演全集がCD4枚に収まっています。

あまりのシンプルさに最初は拍子抜けした私ですが、不思議と聴き飽きません。
極限まで音を絞り込んだうえでのシンプルさ、単調さとはちょっと違います。
無駄な音符は一音たりとも無いに違いない。
難解さとは無縁ですが、響きは玄妙で、独特の和声を感じます(このあたり専門知識が無いもので自信が・・・)。
所々で響く不協和音や複調もはっとするほど美しく、どこまでも優雅で詩的。
じっくり聴くも良し、BGMとして聞き流しても良し。
どんな聴き方でも、スルメのように次第に味わいが増してきます。
いつ曲が変わったのか気がつかなかったり、
CDが終わったのにもしばらく気づかないこともありますが、それはちょっとボーッとしすぎかなあ (居眠りしとるんやないか?)。

個人的にとっつきやすいのは、CD2「歌と踊り」、CD4「内なる印象」だと思いますが、どれもみな良い曲。 
そう、モンポウには駄作がないのです。 
よほど厳しく吟味推敲してから作品を送り出したのでしょう。

 「歌と踊り」第4〜6番(作曲者の演奏)
 

「モンポウ・ワールド」と呼びたくなる、この詩的な小宇宙が2400円で丸ごと手に入りました。 幸福。

(05.1.15.記)

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