桃白歩美/関西弁で愉しむ漢詩
(子どもの未来社 寺子屋新書 2005年)




Amazon.co.jp : 関西弁で愉しむ漢詩


シドニイ・シェルダンの小説は「超訳」されてよく売れました。
漢詩を関西弁に訳したら、とりあえずとても面白いのです。

著者は大阪生まれ・大阪育ちの女性。
「えごいすとな思想」というHPで以前からやっておられた、漢詩の関西弁訳を、本にしたものです。
一見高尚な漢詩が、関西のしゃべりことばに翻訳されたとたん、ぐーんと親しみやすくなるから不思議。
私は関西圏に住んだことはないのですが、いいものですねえ、関西弁て。 ケンカ売られるとき以外は。

詩の合間に挿入されたエッセイも楽しくて、著者のざっくばらんな人柄が伝わってきます。 
酒に関する詩の訳が、一番いきいきしているように思えました。 お酒好きなんですね。 
桃白さんにかかれば、李白陶淵明も酒飲み友達、
「みんなで春に乾杯や〜!」と盛り上がり、
「世の中は 思い通りにならへんコトばっかりや」と愚痴をこぼしても、
最後には「ふんっ 人生ナンボのもんじゃ」と、一緒にクダを巻いてくれます。
グラス片手に読んでいると、もうお酒が進んで進んで・・・(あとで後悔)

HPには、「老子」の関西弁訳もいくつかアップされていて、とても面白いので、
ぜひ次はこれを本に、と思うのですが、ご本人によればそのような予定はないとのこと。
少々残念ですがHP上で愉しませていただきます。
(05.5.19.記)

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