三善晃/レクイエム
(外山雄三:指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 他 1977録音)



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片山杜秀「鬼子の歌」という本を読んでいます。
日本の現代作曲家について論じた本ですが、なかなか進みません。
分厚くて重いので寝転がって読めないのと、内容が高尚で難解なせいもありますが、
もっとも大きな原因は取り上げられる音楽をつぎつぎ聴きたくなってしまうためかもしれません。

 

第1章で取り上げられるのは三善晃(1933〜2013)。
いきなりアニメ「赤毛のアン」(1979)のテーマ曲の話から始まります。
私はこのアニメ、よく知らないんですが、ニョウボは大好きで毎週観ていたそうです。





良い曲ですね〜、オーケストレーションも緻密です。

ところで、三善晃といえば私がまず連想するのは、
 
 「レクイエム」(1972)

なんですよね (「鬼子の歌」には「レクイエム」の記述はあまり多くありませんが)。

1970年代(高校生の頃)、愛読雑誌「レコード芸術」で、発売されたばかりのこのLPが大絶賛されていました。
で、何を思ったか、ついふらふらと買ってしまったのです。

 ぶっとびました。



「レクイエム」ですから、死者を悼む曲なのですが、歌詞は戦争を扱った現代詩や、特攻隊員の遺書「きけわだつみのこえ」からとられています。

 「20世紀後半に生きる日本の作曲家として、何を書かなくてはならないか、私の存在理由は何か、と自問し続けていた。」(三善 晃)

ということなんですが無知な高校生の耳には、最初は単なる騒音、カオス、音の暴力にしか聞こえず、「なんじゃこりゃあ」と思いました。
買ったことを後悔しないでもありませんでしたが、せっかく高いお金を出して買ったレコードなので、一生懸命繰り返し聴きました。
徐々に曲の内容を把握し、歌詞の意味も身に沁みてきて・・・・・・なにかがちょっと「わかった」ような気になったものです。
かれこれ30年くらい聴いていなかったのですが、片山杜秀の本を読んで思い出し、検索したらCD化もされていたので、ついふらふらと注文してしまったのです(懲りてない)。

いやー、やっぱり厳しい曲です。
火を吹くような音響、煽り立てるようなテンションの高さ、ブリテン「戦争レクイエム」がユルく感じられるほどのすげぇ曲。
そして、よく聴くと作曲技巧の限りを尽くして緻密に作られた音楽であることも、以前に増してよくわかりました。
日本現代音楽史上屈指の傑作であります。
御用とお急ぎでない方は、ちょこっと聴いてみられてはいかがでしょうか(トラウマになる可能性もありますが)。

三善晃、やはり天才です。

(2019.03.02.)



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