BOSTON/LIVE AGORA CLEVELAND 1976
(ボストン・ライヴ・アゴラ・クリーヴランド)




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Don't Look Back




親分:ボストン号、いまだ帰還せず!!

ガラッ八:藪から棒になんですかい、久しぶりに登場したと思ったら。

親分:今年は11年ぶりにボストンの新作が出るって噂があってなあ、心待ちにしてるんだが・・・・・・出ねえ。

八:ボストン・・・って、アメリカの都市ですよね。

親分:俺が言ってるのは、1976年にデビューしたロックバンドのボストンのことだ。
  むかし、ここの管理人もファースト・アルバム「幻想飛行」をご紹介したことがある→ココ

 


八:1976年・・・37年も前じゃないですか、まだ活動してるんですかい?

親分:オフィシャルHPに、ニュー・アルバム製作中と書いてあるんだい・・・。
  でも、リーダーのトム・シュルツは、完璧主義者が服を着てギターを弾いてるような御仁だからなあ。
  アルバムのミックスダウンに平気で何年もかけるもんで、いつになるのか見当もつかねえや。

八:今までにどんなアルバムが出てるんで。

親分:オリジナル・アルバムはわずか5枚、ギター形宇宙船ボストン号がトレードマークだ。
  船内に都市がすっぽり収まる、超巨大宇宙船。
  スケールでかいよなあ。
  LPのジャケットは迫力あったぜ。

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八:どれもカッコいいでやんす!

親分:サウンドは流麗に磨き上げられ、ジャケットのイメージ通り、宇宙的な広がりを感じさせてくれる。
  トム・シュルツは少年時代からクラシック音楽が好きだったらしい。
  言われてみればギターやヴォーカルの織り成す対位法は巧みで美しいし、曲の構成も凝っている。
  単純な「Aメロ+サビ」の曲より、複雑かつ独創的な構成ながら絶妙な均整のとれたナンバーが目立つんだ。
  「ソナタ形式」ならぬ「シュルツ形式」とでもいうべきか。

八:そりゃ初耳の形式でやんすね。

親分:いま初めて言ったからな。
  ま、ちょっと思いついただけなんで深く追求しないよーに。

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親分:さて第2作「Don't Look Back」以降は規則正しい彗星のように、きっかり8年ごとにファンの前に姿を現していたボストン号なんだが、
  第5作「Corporate America」以来11年たつのに、まだ帰還しねえんだな。
  サード・アルバム「Third Stage」を最後に脱退したヴォーカルのブラッド・デルプが2007年に自殺したことがショックだったのかも。

八:へえ、そんなことがあったんですかい。

親分:ただ、はっきり言って前作「Corporate America」の出来はイマイチだったんだよなあ・・・なんか、新作も出て欲しいような欲しくないような。

八:そ、それを言っちゃあ・・・。

親分:しかしブラッド・デルプがヴォーカルだった最初の3枚はすべて名盤!
  とくにサード・アルバム「Third Stage」の完成度は素晴らしいっ!
  シンフォニックな構成、洗練されたメロディライン、重層的なギター・プレイ、まさに完璧な作品。

八:ところで今回のCDは、ライヴ・アルバムですか。

親分:デビュー間もない1976年のボストンのライヴ録音だ。
  どうやら海賊盤みたいで、おおっぴらに紹介するのはどうかとも思うんだが、ニュー・アルバムがなかなか出ないいま、
  ボストン・ファンの喝を癒してくれるぜ。

八:おお、ライヴでは意外にシャウトしてますね、熱いでやんす。

親分:完璧にコントロールされたスタジオ録音とはまた違うボストンが聴けて面白い。
  ただしこれはあくまでもファン・アイテム、最初に聴くならスタジオ録音盤の方をどうぞ。

(2013.9.3.)

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