ボストン/BOSTON(幻想飛行)(1976)
(EPIC/SONY)



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1976年のこと。
トム・シュルツというMIT出の秀才ギタリストが、たった一人で一本のデモテープを作り上げました。
そのあまりの素晴らしさにレコード会社が目をつけ、名の知れたミュージシャンを集めて
テープに忠実にレコーディングしたのが、この伝説的なアルバム。

トムがボストンに住んでたからバンド名は BOSTON(そのまんまやな)
アルバム・タイトルも BOSTON (そのまんまやな!)
あまり名前にこだわる人ではないのでしょう。 「中身で勝負」。
現在までの28年の活動で、わずか5枚のアルバムしか発表していません。
 
 BOSTON (1976)
 DON'T LOOK BACK (1978)
 THIRD STAGE (1986)
 WALK ON (1994)
 CORPORATE AMERICA (2002)


第2作目以降は、きっかり8年ごとのリリース。ナマケモノなのか几帳面なのかようわかりません。
ワタクシ一応、デビューからずっとフォローしているのですが、
ボストン亀の歩みののろさについ油断してしまい、第5作 "CORPORATE AMERICA" が出たことになかなか気づかず、
はっと目覚めたときにはすでに発売から1年もたっていたのでした。

ちなみにボストンの5枚のアルバムのうち、
少なくとも第1作「BOSTON」から第3作「THIRD STAGE」までは、「完璧!」と呼びたい珠玉の名盤であります。
残念ながら「THIRD STAGE」を最後にヴォーカルのブラッド・デルプが脱退してから作品のクオリティは徐々に低下傾向にあります。

それにしてもファースト・アルバム「BOSTON」の鮮烈な印象、いまだに忘れがたいなあ。
ちなみにこのアルバム、現在までに1600万枚を売り上げ、デビュー・アルバムとしては世界最高とのこと。

ギターのロマンティックなメロディに、美しいハイトーン・ヴォーカル、
宇宙的な拡がりを感じさせるそのサウンドは、ロックのひとつの完成型と呼びたいほどです。
ロックに「反抗」とか「アブナさ」とか「破壊力」を求める向きにはおすすめできませんが、クラシック音楽にも通じるような確固とした美しさを持つ音楽世界をご堪能あれ。

全曲聴きどころですが、あえてあげれば
第1曲「MORE THAN A FEELING」、ブラッド・デルプの脳天突き抜けヴォーカルを、
重心の低いダブル・リード・ギターが力強く支える、代表的名曲。

 

あと6曲目「HITCH A RIDE」、透明なハーモニーを聴かせるヴォーカル部分のあとに、
ふたつのギターの掛け合いが2分近く続くインストゥルメンタルの後奏部分は、このアルバムの白眉。
イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」カーペンターズの「グッドバイ・トゥ・ラヴ」とともに、
「美しいアウトロ・ベストスリー、70年代編」にあげたいほどです。

 

(04.2.28.記)

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