豊島ミホ/檸檬のころ
(幻冬舎文庫 2007年 ・ 親本は2005年)


Amazon.co.jp : 檸檬のころ


長女がこの春から中学生になりました。
ランドセルをしょってたころは、どんなに生意気言っても「しょせんはコドモ」でしたが、
中学の制服を着ると、いきなり大人びて見えます。 不思議だ。
もうすぐ、あの定番セリフ「オヤジ、臭い」「下着いっしょに洗わないで」が聞けるかと思うと・・・。
ああ楽しみだなあ。 ワクワク。

「檸檬のころ」は、普通の高校生の生活を淡々と描いた連作短編集です。
何も特別なことは起こりません。 
まわりにコンビニすらない田舎の進学校、不治の病で死ぬ子はいないし、超能力者もいないし、殺人事件も起こりません。
みんな普通に勉強して普通に卒業してゆきます。
しかし読み終えた後、登場人物たちの一挙手一投足が妙に心に残るのです。 残留思念か。

1982年生まれの若い作家さん。
まっすぐに伝わってくる文章、きめの細かい心理描写。 みずみずしさと才能がビンビン感じられます。
文庫版解説には「豊島ミホは、ふつうをかがやかす達人である」(高橋敏夫)という名コピーがあり、
作者あとがきにも「地味な生活に輝く一点の星にスポットを当てて書こう」とあります。

個人的には、

 森見登美彦のつぎに「来る」のは豊島ミホでは?

と思ってたりしますが。

なお、著者の名前は「としま みほ」と読みます。

(07.4.14.)

P.S. ここまで書いて、今話題の「べつやくメソッド」作成サイトを見つけたので、
早速遊んでみました。




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