キラル/ピアノ協奏曲 ほか
(ヴァルデマル・マリツキ独奏 アントニ・ヴィト指揮 ワルシャワ国立フィル)




Amazon.co.jp : Kilar: Piano Concerto

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Tower@jp : KILAR/PIANO CONCERTO

ようやく秋らしくなってまいりました。

我が家の裏手は神社でして、ちょっとした林になっております(はい、田舎です)
このあいだまで、夜になっても蝉の声がジーコジーコとやかましく、
「サッカーの監督かい!」と寒いギャグを突っ込んで涼んでおりましたが(家族は凍りついてました)
今夜ふと気つくとコオロギが鳴いております。

秋ですなあ・・・。
ちなみに梅雨時には周りの田んぼからカエルの大合唱が聞こえます(だから田舎なんだってば)

ポーランドの作曲家・ヴォイツェフ・キラル(1932〜)のピアノ協奏曲(1997)の第1楽章
とても秋っぽいです(飽きっぽい、じゃないよ)。
ゆったりとしたピアノの分散和音に、そよ風のようにからむ弦楽器。
ブライアン・イーノハロルド・バッド環境音楽をピアノと管弦楽でやってみました的ノリ。
「手抜きちゃうか?」と言いたくなるほど単純&単調な(少なくともそう聴こえる)楽章ですが、繊細で叙情的な響きに、つい聴き入ってしまいます。

  キラル:ピアノ協奏曲 第1楽章
 

第2楽章「コラール」はグレゴリオ聖歌風。 静かな和音連打の繰り返し。 
驚いたことに第1楽章以上に単調です。 ほとんど変化らしい変化がないのです。 手抜きちゃうか?(←しつこい)
しかし、10分もの楽章をしっかり聴かせてしまいます。 不思議だ。 何故飽きないんだろう。

  キラル:ピアノ協奏曲 第2楽章
 

第3楽章「トッカータ」、一転してアグレッシヴに叩きつけるピアノ、攻撃的なミニマル・ミュージックです。
それまで抑えていたエネルギーを一気に爆発させるようなパワフルなフィナーレ。
最後は伊福部昭っぽいリズムの饗宴となります。

  キラル:ピアノ協奏曲 第3楽章
 

アイデア賞もの、という感じの、たいへん魅力的なピアノ協奏曲でございます。
でも実演で聴いたら寝そう。

(07.9.13.)


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