池谷裕二&糸井重里/海馬〜脳は疲れない
(新潮文庫 2005年)
(親本は朝日出版社 2002年)



Amazon.co.jp : 海馬―脳は疲れない


人気の脳学者(能楽者じゃない)池谷裕二さんと糸井重里さんが対談してます。
以前読んだ「進化しすぎた脳」より、この本のほうが先に出ていたのですね。

それにしても糸井さん、よくしゃべります。
池谷さんより多くしゃべっているのではないだろうか、ひょっとして。
引っ張られるように池谷さんのほうもツルツルと口が滑って、活発な対談です。

だいたい、一流といわれる人は、実は案外「おしゃべり」だぞって、自分で言ってますからね糸井さん。
ただし、おしゃべりな人がすべて一流とは限らないのは当然です(←自戒)

「脳」に関する最近の知見が、素人にもわかるように説明されていて、「へえ〜」の連続です。
ただし、読んでいくうちに、むしろこれは「オトナの応援本」ではないかという気もしてくるのです。

「『もの忘れは老化のせい』は間違い」(子供はど忘れしても気にしない、または忘れたことを忘れるだけ)
「30歳を過ぎてから頭は爆発的によくなる」(ものとものの間につながりを感じる能力は、30歳から飛躍的にアップする)
など
もう10年以上前に三十路を過ぎた私、思わず「生きていていいんだ・・・」と感涙にむせびたくなるくらい
ありがたいお言葉のオンパレードです。

そして、池谷さんの専門である「海馬」
ここは記憶を司る部位ですが、脳の中で唯一、生まれたあとも細胞が増える場所(へえ〜)
脳に刺激を与えると海馬の細胞は増え、「海馬が大きければ大きいほど、かしこい」のだとか。
もちろん、大人になってからでも増えます
非常に大きくなった海馬は「河馬」と呼ばれます(嘘です)。

逆に、脳に刺激を与えなければ、海馬の細胞は死んで減ってゆくそうです。
いわゆる老人性痴呆の一因でしょうね。
常にアクティヴに、刺激を求めて生きていかなくてはいけないのですね人間は。 そりゃちょっとしんどいな。

気楽に読めて、脳に詳しくなれて、人生に希望がわいてくるという、スグレ本です。
2〜3日前に読了したこの本の内容を、すでに半分ほど忘れていることも、全然気にしなくて良いのです。
忘れたらまた読めばよいのであります。

(07.2.2.)

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