門あさ美/HOT LIPS(1982)
Tower : 門あさ美/HOT LIPS
門あさ美の4thアルバム"HOT LIPS"(1982)。
シティ・ポップの隠れた名盤、大傑作。
全10曲で、アルバム全体がストーリー仕立てになっています。
1曲目「気分はもうメンソール」
ホテルのフロント・ベルの音で始まります。
「メッセージを・・・」
眠る男をひとり残して、早朝のホテルをそっと後にする女性。
「♪コートのえり立て タクシーに乗り込めば」
という歌いだしから、季節は晩秋から冬でしょうか。
ミステリアスでセクシーなストーリーが走り出します。
気分はもうメンソール
2曲目「ルームナンバー202」では、たったいま振ったばかりの男への未練を切々と歌います。
どんな事情があるのかな・・・ ・
ルームナンバー202
第3曲「春・ストーム」で季節は春に戻り、恋のはじまりが回想されます。
曲が進むにつれ二人の仲は深まってゆきます。
しかし8曲目「乱窓」で恋の行方に暗い影がさします。
チャーミングでロマンティックでありつつ、憂愁とはかなさを感じさせる素敵なラブ・バラード。
乱窓
そして9曲目「街路樹」で吹っ切れたように別れを決意するヒロイン。
「♪緑おとす街路樹 息止める 恋のよう
どうせ変わる季節なら せめて迷わせないで」
街路樹
(間奏のピアノ・ソロの洒落てること!)
まあ最後の曲「ロマン遊泳」を聴く限り、早くも完全に立ち直っているようですが(笑)。
懲りないとも言えますね・・・ってコラコラ。
全編にわたってメロウでシルキーなラブソングが満載・・・っていうか門あさ美のアルバムは全てそうです。
アンニュイで色気脂気たっぷりな門あさ美ワールド、恥ずかしくなるくらい甘くて危険でゾクゾクします。
作詞作曲はすべて門あさ美自身、アレンジはラテン・フュージョンの名ピアニスト・松岡直也。
これでもかというくらいオシャレなサウンド、それでいて品があります。
歌にやわらかな表情を与え、詞の感情を鋭敏にすくい取り、音楽を緻密に息づかせます。
しかしもう40年も前のアルバムなんですね・・・、1980年代、昭和50年代ですよ!
門あさ美のアルバム、永らく廃盤でしたが2022年11月から12月にかけて全作品が紙ジャケットでめでたく再発!
すでに持ってるのに思わずオトナ買いしちゃった私です。
だって紙ジャケだし、リマスターだし、またすぐ品切れになりそうだし・・・ね!(←だれに言い訳している?)。
(2022.11.18.)
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