ジル/レクイエム
(ルイ・フレモー指揮 パイヤール管弦楽団 1956録音)
カンプラ/レクイエム
(ルイ・フレモー指揮 パイヤール管弦楽団 1960録音)

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むかしむかしの17世紀末、南フランスのトゥールーズという街で、とある名士が亡くなったそうな。
遺族は、トゥールーズ・サン=エティエンヌ教会の若き楽長 ジャン・ジル(Jean Gilles 1668〜1705)に、死者を悼むレクイエムを依頼した。

さて出来上がった曲は、4名の独唱者に混声合唱、管弦楽にオルガンまで加えた大編成のうえ、演奏に45分を要する大曲。
「ジルさん、こりゃあ大事じゃ。演奏するのに費用がかかりすぎますがな」
作品の出来には自信を持っていたジル、
「それなら演奏しなくて結構。 謝礼もお返しいたしましょう」
と、楽譜を引き上げてしまった。
そして封印のうえ、「私自身の葬儀で演奏するように」
と遺言したそうな。

それから数年後、ジルはわずか37歳で死んでしもうた。
葬儀では遺言どおり「レクイエム」が演奏された。
あたたかな慰め、さわやかな叙情に満ちたその音楽は、多くの聴衆を魅了したそうな。
レクイエムでありながら、地中海の輝き、南フランスの陽光を感じさせるのが特徴じゃ。

地方の無名作曲家ジルの「レクイエム」の評判は、しだいにフランス全土へ広がっていった。
ついには、大作曲家ラモーや、ルイ15世の葬儀でも演奏されたそうな。

 ジル/レクイエム より(ルイ・フレモー指揮)
 

さて、ジルの葬儀の際、「レクイエム」を指揮したのは、年長の友人アンドレ・カンプラ(Andre Campra 1660〜1744)。
トゥールーズで活動した後パリに出て、ノートルダム大聖堂の楽長になった。
ジルのレクイエムがパリで流行したのも、カンプラが友の曲を積極的に紹介したおかげと言われている。

じつはそのカンプラも、見事なレクイエムを残しておってのう。
盟友ジルの作品に似ているが、より甘美で晴れやかなのが特徴じゃ。
合唱による明るいフーガで頂点を迎えたあと、全休止をはさんで、イ短調で静かに「慈悲深き主よ」と歌って全曲を閉じるのが印象的。

 カンプラ/レクイエム
 

ジルカンプラ、バロック期フランスを代表する、二つの傑作レクイエムじゃ。
古楽器による録音も出ているが、ルイ・フレモー指揮/パイヤール管弦楽団の半世紀も前のロマンティックでゴージャスな演奏がお気に入り(音はちょっと悪い)

ジルカンプラかぁ・・・・シルとテンプラ・・・?
なんだか天麩羅定食が食べたくなってきたのう。
・・・ごはんでも炊こ。

(08.11.19.)



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