フックス/皇帝レクイエム ほか
(ヨハン・ヨーゼフ・フックス作品集)
(ルネ・クレマンシック指揮 クレマンシック・コンソート)


Amazon.co.jp : 皇帝レクイエム~フックス:宗教音楽集

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 我が家で起こったミステリー!!

ウチでは60cm水槽に7匹の金魚を飼っています。
品種はワキン朱文金コメット、丈夫で手間のかからない(そして安い)種類ばかり。
餌やり・水槽の掃除は、一家の長である私の仕事であります、えっへん。
あ、別に押し付けられてるわけじゃないですよ、・・・多分ないと思う、・・・ないんじゃないかな?

ただし、仕事が忙しいと、ついほったらかし(←しょっちゅうだろ!)。

さて一昨日のこと、二日ほど餌をやってないことを思い出して、水槽に餌をまいていると、寄ってくる金魚が少ないような・・・・

 あれ?一匹足りない?

体長5cmほどのワキンが一匹見当たりません。
6年ほど前に子供が金魚すくいで採ってきた子で、
最初からエラが片方傷ついていて、大丈夫かいなと思っていたのですが、意外と丈夫で大きくなった子です。

もし死んでいたら、腐敗して、水質が極度に悪化してしまいます。
水槽内を覗き込んだのですが水草ジャングル状態、外からの捜索には限界が。

びびる上のムスメを動員して、水草をバケツに移し、水槽の中を捜しました。

 ・・・なんと、どこにもいません。

水換えして、砂利の中まで探ってみたのですが、ウロコ一枚見つかりません。

 不思議です。
 ミステリーです。


考えられることはいくつかあります。

 @その金魚の存在自体、私の妄想であった。

 A最近金魚が死んで処理したのを忘れている。 

 B家族がこっそりどこかに隠してしまった。

 C金魚は超能力の持ち主で、どこかにテレポートした。

 D水槽の中に時空のひずみが発生し、金魚は異次元にトリップした。

うーむ、不思議だ、一体どれだろう・・・・。
私は妄想持ちでも若年アルツハイマーでも(多分)ないから@Aではないし、
我が家のめんどくさがりの家族が水槽を触るとは思えないからBでもないし、
わずかに可能性があるとしたらCDかなあ。

え? もうひとつ可能性があるって?
なんですか、それは・・・?

        ・・・共食い・・・?

 ギャーー!!

いやそれは怖いでしょう、怖すぎますよ。
ふだん魚パクパク食ってて言うのもなんですが、「金魚の共食い」はいやですねー、怖いですねー。
それにしても5cmの金魚がウロコ一枚残さずに消えてなくなるものでしょうか・・・?
凄いですね、うーむ。
完全犯罪おそるべし・・・。
しかし、もとはといえば私が餌やりをさぼったせいなのか??(反省・・・)


金魚の冥福を祈って、フックス「皇帝レクイエム」を聴きました(←微妙に失礼でないか?)

冒頭、しみじみとした弦楽器のフーガに魅了されます。
「なんというしっとりとした響き、素晴らしいレクイエムだ!」と思ったら、トラック1は「2つのヴァイオリンのための3声のソナタ」という曲でした。

レクイエムじゃなかったのね。

このCDのメインである「皇帝レクイエム」は、神聖ローマ皇帝レオポルトT世の未亡人の葬儀のため書かれた作品(なんで「皇后レクイエム」でないの?)
ほかにも器楽曲、声楽曲をいろいろ収録して、ヨハン・ヨゼフ・フックス(1660〜1741)という作曲家の魅力を堪能させてくれます。

え、そんな作曲家、聞いたこともないって?
私もそうでした。
しかし、1711年にカール6世によって神聖ローマ帝国宮廷音楽監督に任命され、以後30年間ヨーロッパの音楽界に君臨したエライ人なのだそうです。頭が高い!
彼のもとで副楽長をつとめたのがアントニオ・カルダーラです。

またフックスは、「グラドゥス・アド・パルナッスム(パルナッソス山への階梯)という名高い対位法の教則本を書いていて、
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどもこの本で勉強したそうです。
ドビュッシー「子供の領分」第一曲のタイトルにもなっていますね。

このCDに収められた曲は、どれも高貴で端正、そして抑制の効いた上品な演奏。
なかでも「皇帝レクイエム」は簡潔で贅肉をそぎ落としたような透明な響きが、たとえようもなく美しい名品です。



レクイエムの各曲の間に別の声楽曲・器楽曲を挿入して、CD全体の流れに変化をつける選曲も見事です。
ちなみにファースト・ヴァイオリンはヒロ・クロサキです。

いやあ、素晴らしい!
これは「金魚のためのレクイエム」には勿体ないわ。

・・・しかし金魚って、ホントに共食いするんでしょうか?
どなたがご存知の方、教えてください。

(09.6.27.)


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