中原めいこ/2時までのシンデレラ −FRIDAY MAGICー
(1982)



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Tower : 2時までのシンデレラ ―FRIDAY MAGIC―


クリスマスが近づくと、なぜかこのアルバムが聴きたくなります。
クリスマス・ソングは入っていないのに不思議です。

 中原めいこ/2時までのシンデレラ −FRIDAY MAGICー(1982)

昔LPで出た時に買って何度も聴き、CDで買いなおしてからも折に触れて聴いて、いまだに飽きません。
最近ふと思いました。


  これってすごい名盤なのではなかろうか・・・?(←遅い)


1曲目の「FANTASY」からいきなりポップでキラキラ、音の万華鏡、聴くミラーボール、あなたのお部屋はディスコティック(←死語)。
第一印象はイケイケなだけの曲に聴こえますが、隅々まで丁寧に作られていて、いまも古さを感じません。

 

一瞬のブレイクを挟んで次の「ジゴロ」に続く呼吸も洗練されてます。

 

3曲目の「ココナッツの片思い」はサンバのリズムがトロピカルなポップ・ナンバー。
ブラスのアクセントがカッコイイ。
マルガリータでも飲みながら聴きたいですな。

 

バラードを1曲挟んで、LPならA面最後、5曲目の「Go Away」
失恋ソングですが、疾走するメロディ、ストリングスとブラスを贅沢に使ったゴージャスなアレンジのカッコよさ!
巨匠ジェイク・コンセプションによるアウトロのサックスも最高。
80年代歌謡曲風な親しみやすさがあり、知らずに聴いたら筒美京平かと思います。
いわゆる「シティ・ポップ」の完成形と言っていいんじゃないでしょうか、めいこさん天才!

 

6曲目(LPならB面最初)はタイトルナンバー「FRIDAY MAGIC」
流れるようなメロディにファンキ―なアレンジがバッチリ決まった完全無欠の名曲。
きらびやかな世界がめくるめきます、まぶしい、まぶしすぎるぜ。

 

7曲目「恋の余韻」は、チャチャチャのリズムを生かした可愛らしい曲。
「待ち合わせ 表参道 いつものあの店で」という歌詞が華やかな「都会っぽさ」を引き立て、田舎者(←自分)の憧れを誘いました。

 

9曲目「ダイヤルまわして」は、「来ると思ってたの 彼女のパーティー 喧嘩したけれど 軽井沢で」というセレブな歌詞で始まる、完成度の高いポップスナンバー。
軽井沢・・・・・・ど、どーせ私は、軽井沢なんて行ったこと有馬温泉ですよっ、ほっといてくださいっ!(←なにをやさぐれている)
チャラチャラした、もといお洒落な歌詞は5年後に公開される映画「私をスキーに連れてって」(1987)の世界を思わせ、バブル時代を予言するかのよう。

 

ラストの10曲目はもう一つのタイトルナンバー「2時までのシンデレラ」
シルキーなストリングス、松原正樹のギター、ちょっと鼻にかかった中原めいこのボーカル、せつなくも美しい都会的なバラード。
アルバム全体をシックに引き締め、綺麗に幕を閉じます。

 

 「恋はいつでも free 一人だと消えそうだから
 言葉にしなくても 側に居て 見つめて欲しい
 行かないで 離さないで 私が眠るまで
 あなたの腕は 私のオアシス


作詞作曲はすべて中原めいこ
洗練されたメロディ、洒落た歌詞、艶っぽいボーカル。
これを天才と呼ばずしてなんと呼ぶ。

中原めいこ、2000年を過ぎたあたりから名前を聞かなくなり、現在消息不明。
元気にしておられるのでしょうか、それだけでも知りたいです。

(2020.12.20.)


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